車線を無視して無秩序に行き交う車やスクーター、三輪バイク、自転車。インドの首都ニューデリーの交通警察はこのほど、市民の交通マナー向上に向けて、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイト、フェースブックに専用アカウントを設けた。違反の通報が多数寄せられ、効果を上げているという。
アカウントには5月の開設以来、1万8000人以上のファン登録があった。警察側は当初、道路の損壊や標識、照明の不備などに関する苦情が集まるとの見方を示していたが、予想に反して交通違反の通報が相次いだ。1台のバイクに大人3人と子ども3人が乗っている画像など、定員オーバーや駐車違反、違法ナンバープレート、ヘルメット不着用といった違反行為の通報が、写真や動画付きで寄せられている。その数はすでに3000件を超えた。
同市交通警察によると、600万台を超える自動車や軽車両が行き交う同市では、1日あたりの交通違反摘発件数が1万件近くになる日もあるという。
同市交通警察トップのサティエンドラ・ガルグ氏によると、画像に写ったナンバープレートなど、フェースブックの情報のみを根拠に発行された違反通知は、約700件に上っている。フェースブック経由の通報に対応する専任スタッフも配置されたという。
サイトの乱用やプライバシー問題への懸念も指摘されるが、これまでにうその通報などは見つかっていない。フェースブックの導入で警察の仕事は増えたが、ガルグ氏は、市民による通報という考え方自体を「歓迎する」と話している。
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