Apple が9月1日にサンフランシスコの Yerba Buena Center で「特別イベント」を開催するとして、先ごろ一部の報道機関に案内状を送った。これにより、インターネットは噂でもちきりとなっている。
いつものごとく、Apple はこのイベントで何を発表するかについては固く口を閉ざしている。そして、これまたいつものごとく、発表内容をめぐって憶測がヒートアップしている。それでも、案内状に Apple のロゴが付いたアコースティック ギターが描かれていることから、今回の発表は音楽に関係するもので、おそらくは『iPod』の新版が登場するのではないか、というのが大方の予想となっているようだ。Apple は iPod の新型モデルを9月に発表するのが通例となっている。
しかしその一方で、Apple が『Apple TV』の新版をリリースするという噂も何週間も前から飛び交っている。次期版では、もともと初代 Apple TV の開発コード名だった「iTV」に名称が変更になるとみられる。
イベント開催の噂には、投資銀行 Piper Jaffray のアナリスト Gene Munster 氏も関心を寄せていた。Munster 氏は、案内状が送られる以前の25日に公開した調査レポートの中で、有力な噂のいくつかについて次のように評価している。
「われわれは Apple が今年も同様のイベントを開催し、初のカメラ搭載型『iPod touch』、『App Store』に対応した Apple TV の新版、クラウドベースの『iTunes』サービスといった iTunes 関連の新規事項を発表すると予想している。Apple TV の新版は Apple にとって、オールインワン型『Apple Television』の開発における重要な一歩だとわれわれは考えている。あるいは、『MacBook Air』の新版発表という見方も捨て切れない」Apple が9月1日に「特別イベント」を開催する。毎年恒例となった9月の新製品発表会という見方が強いが、果たしてどのような製品が登場するのだろうか。
概略については、Piper Jaffray のアナリスト Gene Munster 氏の見解で触れた。ここでは個別に、どのような観測が出ているのか見てみよう。
感触として多くの業界観測筋に共通しているのは、新型『iPod touch』が登場し、『iPhone 4』と同様の自分撮り用フロントカメラを備え、Apple のビデオチャット用アプリ『FaceTime』に対応するという予想だ。
また新しいテレビ製品『iTV』だが、この点について『Wall Street Journal』紙は25日、Apple が ABC を擁する Walt Disney など複数の大手放送局と提携交渉中だと報じた。
同報道によると提携が実現した場合、それら放送局が『iTunes』を通じ、99セントでテレビ番組のレンタル販売を行なうことになるだろうという。
次にクラウド型 iTunes サービスだが、こちらは Apple が昨年12月にストリーミング音楽サイト『Lala.com』を買収して以来、噂が持ち上がっている。さらに4か月前、Apple が同サイトを閉鎖したことで、クラウド型 iTunes サービスを展開するとの噂は一層の熱を帯びた。
多くの業界観測筋は Lala.com 閉鎖について、Apple が同サイトのストリーミングおよびクラウド型ストレージサービスを iTunes に統合し、ユーザーが購入楽曲などをクラウド環境にバックアップできるよう計画している徴候だと見なした。Lala.com のサービスは、ユーザーが自分の楽曲コレクション全体を同サイト経由で遠隔的に利用できるものだった。iTunes との統合が実現すれば、ユーザーが自分の iTunes ライブラリから、iPod や iPhone にコンテンツをコピーする手間が不要になるかもしれない。それどころか、その楽曲をユーザーが所有しており、それがローカル コンピュータ上に存在している限り、同技術によりユーザーはどこからでもそれらコンテンツを利用できるようになる。
なお Adweek は27日、関係者筋の話として、Apple と大手レコード4社の幹部との間で、将来的なクラウド型ストリーミング サービスに関して話し合いが続いていると報じた。ただしクラウド型サービスの立ち上げにおいて、Apple が克服すべき「大きな障害」が依然として存在しており、現時点では実際のライセンス交渉は始まっていないようだ、と Adweek は伝えている。
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