2013/12/02

軽くて安い! 注目の新ジャンル「8型Windowsタブレット」の選び方




軽くて安い! 注目の新ジャンル「8型Windowsタブレット」の選び方
8型の液晶ディスプレーを搭載し、OSにWindows 8.1を使うタブレット、いわゆる“8型Windowsタブレット”が複数のメーカーから続々と登場。この記事では、8型Windowsタブレットの概要と、選び方を簡単にまとめてみたい。
 8型の液晶ディスプレーを搭載し、OSにWindows 8.1を使うタブレット、いわゆる“8型Windowsタブレット”が複数のメーカーから続々と登場。すでに発売あるいは発表済みのメーカーは、デル、日本エイサー、レノボ・ジャパンの海外勢3社と、国内メーカー東芝の計4社になった。それぞれの製品名は


・東芝「dynabook Tab VT484」(ダイナブック タブ VT484) ・デル「Venue 8 Pro」(ベニュー 8 プロ) ・レノボ・ジャパン「Miix 2 8」(ミイックス ツー エイト) ・日本エイサー「Iconia W4-820」(アイコニア W4-820)

である。

 8型Windowsタブレットという新たなジャンルが誕生したことは、タブレット、パソコン双方の市場にインパクトを与えそうだ。

 タブレット市場は、現在7~8型クラスのタブレットが好調に売れている。iPad miniやNexus 7の売れ行きを見れば、7~8型クラスのタブレットの需要がいかに大きいか分かるはず。その“主戦場”に今度はWindowsタブレットが加わるのだ。

 一方、不調が伝えられるパソコン市場は、Windows XPのサポート切れとWindows 8.1登場の効果で、売り上げは回復基調。これに新ジャンルの8型Windowsタブレットが、さらに弾みをつけられるかに注目が集まっている。

 そんな注目の8型Windowsタブレットの概要と、選び方を簡単にまとめてみたい。

●特徴は「軽い」「長持ち」「安い」

 8型Windowsタブレットの特徴は、「軽量コンパクト」「バッテリー駆動時間が長い」「価格が安い」の3点だ。

 重さは350~450gほどで製品によって違いはあるが、いずれも10型クラスのタブレットより軽量コンパクトで持ちやすく、片手で持って使うこともできそうだ。薄型なのでカバンの中などで場所をとらないのもメリット。

 バッテリー駆動時間はメーカーによって測定方法が異なるので比べにくいが、カタログ値は8~11時間ほど。1日程度ならなんとか使えるレベルではないだろうか。

 8型Windowsタブレットの魅力はなんといっても安さだ。実売価格は4~6万円で、中にはマイクロソフトOffice付属で4万円を切る製品もある。10型クラスのWindowsタブレットやウルトラブックに比べるとかなり安い。
●最大の強みは「Windowsパソコン」であること

 8型Windowsタブレットは、サイズと価格から、Nexus 7などの7型Androidタブレットや、iPad miniと比較検討する人が多いかもしれない。だが、Windowsタブレットの強みは「Windowsを搭載したWindowsパソコン」であることに尽きる。普段使っているWindowsパソコンと操作方法は変わらず、これまで使ってきたソフトや周辺機器の大半がそのまま使え、Microsoft Officeが付属するので、ExcelやWordなどのファイルをそのまま読み書きできる。

 また、キーボードやマウスと組み合わせれば、モバイルノートPCのように使うことも可能だ。こうした“普段使っているWindowsパソコンそのもの”であることが、Windowsタブレットの魅力で、こうした点にメリットを感じるビジネスパーソン向けと言えるだろう。
●基本スペックは横一線、唯一の違いはAtom

 基本スペックはほぼ横一線だ。液晶ディスプレイはいずれも8型で解像度は1280×800ドット。メインメモリーの容量は2GBで、これも各製品で同じだ。CPUはいずれもコードネーム「Bay Trail」で知られる最新型のAtomプロセッサだ。

 Atomは内蔵グラフィックス機能が、Core iシリーズと同じインテルHDグラフィックスになるなど、従来のAtomより処理性能が大きく向上している。実際に製品を触ってみても、従来のAtom搭載パソコンにありがちだったスクロール時の引っかかりなどはなく、Windows 8.1の動作はかなりスムーズだ。アドビのFlashを使ったブラウザゲームも十分遊べる。

 なお、Atomには、「Z3740」と「Z3740D」があり、後者は廉価版という位置付け。実売価格が一番安いVenue 8 Proが採用している。Z3740Dは、メモリーチャンネルがデュアルではなくシングルであったり、出力できる解像度が低かったりするが、基本的な処理能力にはほとんど差はないと考えていいだろう。

 データを保存するストレージは32GBあるいは64GBのフラッシュメモリー。32GBのモデルは、OSのWindows 8.1をインストールした状態で空き容量が11GB前後と少ないので注意したい。64GBの製品を選んだほうが無難だ。

 すべての製品が無線LAN、Bluetoothに対応。拡張端子もMicro USB2.0、microSDカードスロットを備える。搭載カメラの画素数は機種によって異なる。

 また、すべての製品にMicrosoft Officeが付属するが、Officeのエディションは必ず購入前に確認しよう。Office Personal 2013にはWord、Excel、OutlookはあるがPowerPointは含まれていない。PowerPointが必要なユーザーは、Office Home and Business 2013が付属するモデルを選ぼう。
●選択のポイントは重さと価格?

 ここまで見てきたように、いずれの製品もCPU、メインメモリー、液晶ディスプレーなどの基本スペックはほぼ同じ。そのため選び方のポイントは、価格、軽さ・厚さなどを中心に考えるのだ妥当だ。

 価格で考えるなら、デルのVenue 8 ProにはOffice Personal 2013が付属しながら4万円を切るお買い得モデルがある。発売は12月30日とまだ先だが、安さを優先するなら待つしかない。軽さ・厚さならレノボ・ジャパンのMiix 2 8だ。350gという軽さが大きな魅力。厚さも1cmを切っている。

 dynabook Tab VT484は、価格や軽さ・厚さには特筆すべき点はないが、国内メーカーの製品らしく付属アプリが充実している。Microsoft Office向けのテンプレートに加えて、ホワイトボードに書かれた内容や手持ち資料を撮影して、データ化(JPEG)するアプリなどが付属する。64GBストレージのVT484/26なら画像編集アプリ「PaintShop Pro」がインストールされている。

 以上、8型Windowsタブレットの概要を見てきた。いずれも価格面では、これまでのパソコンとは比べものにならないほど安い。ボーナスなどで余剰資金のある方は、店頭で実機をチェックしてみてはいかがだろうか。