2012/03/28

いま、海外移住に注目が集まっている


3月11日に日本を襲った東日本大震災。その際起きた原発事故は、いまだ収拾のメドが立っていないばかりか、放射能汚染の影響はいまや日本中に拡大している。さらに、財政悪化による増税、経済停滞とリストラ、日本社会の閉塞感など、なんとなく日本では生きづらいと感じる人が増えているという。最近日本を脱出する本を上梓した安田修氏に、海外移住の動向と簡単にできる方法などを聞いた。

大震災以降、日本人の意識が大きく変化!
先行きの不安から海外に目を向ける人が増加中

 日本はいま、過去に経験したことのない危機や試練に直面している。2011年3月に起こった東日本大震災による放射能問題だけでなく、日本の先行きに不安を持つ人も多い。
 震災復興のため、巨額の財政支出が避けられない日本は、世界に類を見ないほどの財政悪化国になりかねない。年金財源問題もまったく解消されず、社会保障の切り下げと増税という先行きの暗い話題も絶えない。
 若い世代を見れば、日本の雇用環境は悪化の一歩をたどり、正社員になるのも難しい状況。格差社会は是正されるどころか、ますます広がる様相もみせ、それならば、海外で働こうと考える人たちも増えてきている。
 このように日本から脱出したい理由は人それぞれ。海外で暮らすといっても、目的によっていろいろな形がある。
 では、具体的にどんな日本脱出の形があるのか見てみよう。

震災ショックのケアを目的に
妻と子どもが向かったスイス

 まず、幼稚園に通う子どもがいる横浜のTさん(33歳)家族のケース。
 近所に住む子どもの友達家族が、遊びに行っていた石巻の実家で大震災に遭遇し、行方不明となった。テレビで流される衝撃映像の影響もあって、一番ショックを受けたのは子どもだった「なんとか環境を変えて、記憶を薄めたい」と考えたTさんの妻(30歳)は、ご主人を横浜に残し、教育環境を考えてスイスへの渡航を5月に実行した。
 しばらくして「数日間知り合いの家にお世話になりましたが、いまは子ども好きのスイス人の家庭にホームステイしています。子どももすっかり元気を取り戻したようです」というメールが届いた。
 親子共々、すっかりスイスに魅了されてしまったため、90日間の滞在を満了したあと、いったん日本に帰国後、再度スイスに向かうことにしたという。
 また、スイスには「現地の受け入れ企業が決まっている35歳未満の人であれば、18ヵ月間の就労滞在を認める」という“ヤングプロフェッショナル制度”があることを知ったTさん。将来、家族揃ってスイスで生活できるように、現地での就職先を探すのに毎日奔走している。

夏はカナダ、秋は日本、
冬はニュージーランドのローテーション

 「若いときに海外生活を夢見たものの実現できなかった」と話すFさん(67歳)は年金受給が始まったのを機に、季節ごとに滞在地を移動する生活を始めた。
 「どの国にしようか」と悩むことはなかったFさん、その理由は昔の夢を果たせなかったことにある。実は30年以上前に始まった「海外で1年間自由に働ける“ワーキングホリデー”という制度」を知ったときはすでに対象年齢をオーバーしていたからだ。
 その悔しさもあって、海外旅行に出かけるときは決まって当時の実施国であるカナダ、ニュージーランド、オーストラリアを選んできた。このため、当初は日本を含めた4カ国にしようと考えていたが、奥さんの「少しあわただしい」という意見も取り入れて、カナダ、ニュージーランド、日本の3ヵ国に決めたという。
 移動のスケジュールは、夏は涼しくてベストシーズンとなるカナダのバンクーバー、秋は日本の自宅・福岡で紅葉を満喫、冬は南半球に位置するため日本と季節が逆になるニュージーランド。
 もうすでに5年以上もこの“ローテーション”生活を送っている。こうした生活に奥さんも大満足。
 移動するたびに環境も変わるため、新鮮さが持続して飽きることがないのが最も魅力的だという。万が一飽きてきても、今度は国を変えてのローテーション生活を続ける計画だ。

自分の趣味が高じて
ベトナムで路地裏カフェのオーナーに

 味わい深い“コーヒー”の産地として知られるベトナムで、庶民の憩いの場となっているのが“路地裏カフェ”と呼ばれる簡素な喫茶店。いたるところに店がある密集地域では“看板娘”で集客し、各店それぞれが競争に忙しい。
 そのようななか、たまたま世界各国からのバックパッカー旅行者で賑わうベトナム・ホーチミンのフォングーラオ通りに滞在した旅行者のYさん(28歳)は、近くの路地裏カフェにハマってしまったことから、経営のコツなどもいつしか理解するようになった。
 出店費用は約10万円、コーヒーは1杯数十円。1カ月の利益は約1万円でも、庶民は1万円で暮らしている。
 「100万円あれば10店を経営でき、月の利益は10倍の10万円。日本人がベトナムで生活するには充分な金額」と考えたYさんは、顔なじみとなったカフェの従業員やオーナーからさらに詳しいことを聞き、開業することにした。
 しかし初めからオーナーとして出店するにはリスクも高いことから、まずはあまり経営良好とはいえない店と交渉し、“まるごと”の借受料を払ってオーナー代行として営業してみることからスタート。
 ノウハウを蓄積したあとは、より物価が安く観光客も多い地方都市に移動して本格的に展開することを目論んでいる。

日本脱出は日本を捨てることではない
個々の幸せ、価値観の問題だ

 このように、年齢や海外でやりたいことによって、さまざまなアプローチがある。
 この連載では、日本から脱出したいと考えている人に、そのノウハウを伝えていきたいと思う。想像しているよりも日本脱出は難しくないことがわかってもらえるだろう。
 日本が大変なこうした時期だけに、日本を脱出することに批判的な人もいるかもしれない。しかし、何が幸せかは人それぞれの価値観次第。自分らしい“生き方”を実現するためには、「誰にも影響されない自分だけの価値観」を作ることが最も必要だろう。
 海外に住むということは“生き方”の問題であって、個々の人生の在り方を反映するものでもあるだろう。

下り最大40Mbps超のモバイルWi-Fiルータ、「速さ」と「安さ」で選ぶならどれ?

スマートフォンやタブレット端末、ノートPCなど、複数の無線LAN(Wi-Fi)対応機器を同時に接続できるモバイルWi-Fiルータに代表されるデータ通信端末。最近は、下り最大40Mbps以上の高速データ通信対応モデルが9割前後を占め、いち早く高速通信規格にシフトした。今回は、主に手持ちのスマートフォンを「より速く、より快適に」使いたいと思っているユーザー向けに、携帯電話の主要3キャリア、NTTドコモ・au・ソフトバンクモバイルが提供している高速データ通信サービス「Xi(クロッシィ)」「WiMAX」「SoftBank 4G」を、「速さ」と「料金」を中心に比較した。

【図表データ入りの記事】

●拡大するデータ通信端末、モバイルWi-Fiルータがほぼ9割に

 まずは簡単に、データ通信端末の販売動向を振り返ろう。2009年2月のデータ通信端末の販売台数を1とすると、2010年7月に第一のピークを迎えた後、いったん下がった時期もあったが、ここにきて再び拡大傾向にある。2011年12月、2012年1月の販売台数は、前年比120%台前半、2012年2月も同132.8%と好調だ。以前は、PC向けのUSB接続やカード接続タイプが主流だったが、2009年11月以降、カバンなどに入れた本体から無線LANの電波を飛ばして通信するモバイルWi-Fiルータの比率が徐々に高まり、2010年6月には59.8%と、約6割に達した。月によって上下しながら、その後も伸び続け、2012年1月には9割を超えた。2月もほぼ同水準の89.9%。今や、データ通信端末といえば、ほとんどがモバイルWi-Fiルータになっている。

 きっかけは、2009年11月にイー・モバイル(現イー・アクセス)が発売した「Pocket WiFi」シリーズ。「○○とセットで0円」「同時加入で○円引き」など、回線契約と引き替えに対象製品の価格を大幅に値引く戦略が当たり、販売台数が積み上がっていった。同時に、モバイルWi-Fiルータのメリットが知られるようになり、最近は、モバイルWi-Fiルータ同様、1台で複数のWi-Fi対応機器を同時にインターネットに接続できるテザリング機能を搭載するスマートフォン・タブレット端末が増えている。

●「下り最大40Mbps」以上が約95% 1年足らずで様変わり

 データ通信端末の通信規格は、1年足らずの間に、「Xi」や「WiMAX」「ULTRA SPEED」「SoftBank 4G」など、下り最大40Mbps以上の次世代高速通信規格に切り替わった。下りの最大通信速度帯ごとの販売台数構成比を集計すると、2010年1月時点で14.2%、1年前の2011年2月でも39.4%に過ぎなかった「40Mbps以上」は、2012年2月には94.6%に達し、いまや完全に主流になっている。2011年7月に初めて5割を超えてから9割に達するまで、わずか3か月という驚異的なスピードだ。

 ただ、同じ「40Mbps以上」といっても、提供するキャリア、サービスによって、最大通信速度や対応エリアが異なり、正直なところ比較しにくい状況だ。

 NTTドコモは、国内初のLTEサービス「Xi」を2010年12月24日に開始。およそ1年後の2011年秋からXi対応スマートフォン・タブレット端末を投入し、現在、エリア拡大を前倒しで進めている。KDDI(au)は、スマートフォン向けに、月額プラス500円で下り最大40Mbpsの「WiMAX」も使える高速通信サービス「+WiMAX」を提供している。2011年12月には、WiMAXとau(3G)の両方に対応し、エリアによって自動的に接続先を切り替えるモバイルWi-Fiルータ「Wi-Fi WALKER DATA08W」も発売した。ただ、KDDIの「WiMAX」は、UQコミュニケーションズの無線インフラを活用してKDDIが提供しているもので、別途「WiMAX」単独でも加入できることから、独自のLTEサービスを立ち上げるまでの“つなぎ”にみえないこともない。

 ソフトバンクモバイルは、下り最大42Mbpsの「ULTRA SPEED」に加え、今年2月24日に下り最大110Mbpsの高速データ通信サービス「SoftBank 4G」を開始した。「SoftBank 4G」は、2.5GHz帯を使用する広帯域移動無線アクセスシステム「XGP」を高度化した「AXGP」を利用したもの。サービス開始と同時に発売したモバイルWi-Fiルータ「ULTRA WiFi 4G SoftBank 101SI」では、下り最大76Mbpsの速さで通信できる。

●通信速度と料金を比較、スマートフォンとのセットだと「SoftBank 4G」が最も安い

 現在提供中の「Xi」「WiMAX」「SoftBank 4G」のうち、下りの最大通信速度(理論値)は、「SoftBank 4G」が最も速い。対応エリアは、サービス開始時期が早く、2012年1月に「全国実人口カバー1億人」を達成した「WiMAX」が最も広く、一歩リードしている。とはいえ、「SoftBank 4G」の対応機種は、WiMAXより速く(下り最大42Mbps)、全国の幅広いエリアに対応する「ULTRA SPEED」のエリアでも利用でき、「SoftBank 4G」と「ULTRA SPEED」を合わせれば、対応エリアは広いといえるだろう。同様に「Xi」対応機種も「FOMA」のエリア内で利用できるが、「FOMA」の通信速度(下り)は最大でも14Mbpsと遅く、「Xi」との差は大きい。いずれにしても、事前にウェブサイトやカタログで、自宅やよく行く場所の対応状況を確認し、納得したうえで購入・契約しよう。

 続いて、月々の料金を比較しよう。端末本体の代金を抜いた、各種キャンペーン適用前の定額プランの通常料金は、約6500円~7000円と、ほとんど変わらない。現在実施中の各種キャンペーンを適用しても、「Xi」が若干安いものの、ほぼ横並びだ(2012年3月22日現在)。ただ、ドコモとソフトバンクモバイルは、それぞれ期間限定で、対象のスマートフォンと高速データ通信「Xi」「SoftBank 4G」の2回線の契約で料金を割り引くキャンペーンを実施しており、スマートフォンとのセット料金だと、モバイルWi-Fiルータ分の月々の料金は、月額3880円の「SoftBank 4G」が一番安い。

●都内主要5駅で通信速度を計測、5駅すべてで「SoftBank 4G」が最速!

 さて、実際の速度はどうなのだろうか? 2月末の計測時点で、サービス開始前だったイー・アクセスの「EMOBILE LTE」を除く「Xi」「WiMAX」「SoftBank 4G」にそれぞれ対応する代表的なモバイルWi-Fiルータ「L-09C」「Wi-Fi WALKER DATA08W」「ULTRA WiFi 4G SoftBank 101SI」をお借りし、東京都内の山手線の主要5駅(東京・新宿・渋谷・恵比寿・池袋)のホームで、Wi-Fi環境の速度を計測する無料のiPhone向けアプリ「Speedtest」を利用して通信速度を測定した。計測結果は、全地点で「SoftBank 4G」が最も速く、全体的な傾向としては、理論値通りだったが、渋谷駅、池袋駅は「Xi」が「WiMAX」を上回った。

 2012年は、本格的な高速データ通信サービス時代の幕開けであると同時に、さまざまなサービスが乱立し、選びにくい過渡期ともいえる。通信規格の変化のスピードを考えると、今年後半には、”高速”と判断する目安は、光ファイバー並みの「70Mbps以上」に切り替わるのは間違いない。結局のところ、最大2年、場合によってはそれより短い期間で、その時々のベストなサービスに乗り換えていく心づもりで選んだほうがいいかもしれない。

 すでにスマートフォンを持っているユーザーが、別途モバイルWi-Fiルータを購入するメリットは、端末を買い替えずにいち早く高速データ通信サービスを利用できる点に尽きる。複数のWi-Fi対応機器を所有しているユーザーにとっては、回線を一つに集約して通信費を抑えられることに加え、キャリアに縛られず、好きなデータ通信サービスを利用できるというメリットもある。何よりも、「速さ」と「自由さ」を重視する人には、高速データ通信に対応するモバイルWi-Fiルータはベストな選択だろう。

2012/03/11

浦野一美

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「会社にしがみつかない」ワークスタイル

■優秀な社員ほど社外活動を始めている

 昨年3月の東日本大震災以降、私が主宰する「週末起業セミナー」の参加者が急増している。一昨年のほぼ倍の人数である。週末起業とは、会社員でありながら余暇を利用して起業することで、リスクを抑えつつ事業を始められる方法だ。
 以前は、「いつか起業したい」という夢を抱きながらセミナーに参加する人が大半だった。現在はもっと切羽詰まった雰囲気で、不況に円高や電力不足、増税の不安定要素が重なり、「いつクビになってもおかしくない」「会社がなくなるかも」と、多くの人が会社生活に不安を抱えている。また、帰宅難民などの体験で、「家族の近くで働きたい」「やりたいことを先延ばししているうちに死ぬかもしれない」という現実にも気づき始めた。

 会社での成績が上位2割層に入るような優秀で問題意識が高い人ほど、現状に強い危機感を持ち、週末起業などの社外活動を開始している。企業の耐用年数が短くなっている現代に、一つの会社だけで働き続けることは丁半博打のように危険な賭けだからだ。
「目の前の仕事に一生懸命に取り組んで自分の市場価値を高めるべきだ。そうすれば転職もできる」との反論もあるだろう。もちろん、平日は会社の業務をきちんとやり遂げるべきだ。それによって高まる能力もあるだろう。
 しかし、「勤める」ということは他人からの評価に依存することを意味している。上司が代わったら評価も変わってしまう。組織に属していると、自分ではコントロールできない部分が多くなる。それなのに、丁半博打のように突き進むのは非常に危険だ。また、今の会社からリストラされるような時期には雇用状況が悪化している。どんなに優秀な人でも条件のいい転職は難しい。自分や家族の病気で急に会社を辞めざるをえないことも起こりうる。あなたは、そのときの「保険」をちゃんとかけているだろうか?

 収入増の必要に迫られて、夜間や休日にアルバイトや副業を始める人もいる。否定はしないが「雇われ先」を増やしているにすぎず、リスクヘッジになっていない。不動産や金融商品などへの投資もリスクが高すぎる。
 では、最もリスクが低くて将来有望な「保険」は何だろうか。それは、給与所得を維持しながら事業所得も得ることだ。まずは1円でも給料以外のお金を稼ぐことを考えたい。自分だけの顧客を持っていれば、どんな不況でも収入がゼロになることはない。小さなビジネスを自分で切り盛りすることで、会社員としての能力も高まる。まさに一石二鳥なのだ。


■二足のワラジ、フリーエージェント、転職+起業……。「本業+α」という道

「自分にはビジネスにするほどの特技はない」という人も少なくない。しかし、それは間違いだと断言できる。会社での経験、趣味、子どもの頃の夢など、自分の棚卸しをすれば「商売のネタ」は誰もが必ず持っているものだ。
 例えば、趣味のバドミントンを生かし、教材づくりやグッズ販売を手がけて、年商1億円のビジネスに育てた人がいる。テニスが趣味だがインストラクターをするほど上手ではないという人が、毎日のようにテニストーナメントを開催し、そのお金で家を建てた例もある。
 優秀な会社員におすすめなのは、自分が属する職種を切り口にした「コンサルタント」である。例えば、ある住宅メーカーの敏腕営業マンは営業コンサルタントとして活躍している。もっと切羽詰まっている人は、現在の仕事の延長線上で事業を始めてもいい。ただし、会社では受けられないような小さな仕事を個人で受けるなどのすみ分けが必要だ。

 管理職の人には、「個人向けコーチ」という選択肢もある。キャリアなどの相談事をじっくり聞き、自ら答えを出せるよう導く。会社でコーチング研修を受け、職場で実践している人ならば、すぐにでも始められるビジネスだ。個人コーチを持つことが日本でも定着しつつある今、意外なほど需要がある。
 コーチ代は、週1回30分ほどの電話相談で月3万円が相場。お互いに昼間は会社勤めなので夜に電話をする。相談者を10人持っていたら、単純計算で30万円の副収入が確保できるのだ。
 営業は、ブログやSNS、メルマガを活用してお金をかけずに行っている人が多い。実績をつくり信頼を勝ち取れば、口コミで顧客が広がっていく。

 以上のような方法論を聞きたがる人は多いが、実際はまったく難しくない。既存のやり方をそのまま真似ればいいからだ。コンサルタントやコーチの開業方法などはいくらでも指南書がある。
 大切なのは、独自性を打ち出すことだ。いきなり「経営コンサルタント」を名乗っても無数の先達の中で埋もれてしまう。しかし、例えば、「文房具コンサルタント」ならば競合が極めて少ない。
 どんな小さなネタでもいい。自分がやれること・やりたいことを既存のビジネスモデルと組み合わせる。それだけで単なる会社員を脱皮し、新しい働き方の世界に足を踏み入れることができるだろう。