2014/10/25

ドメイン名「Ebola.com」


エボラウイルスの感染拡大とそれに伴う関心の高まりを受け、ドメイン名「Ebola.com(エボラ・ドットコム)」が、株式と現金合わせて20万ドル(約2160万円)以上で売却された。ドメイン名の売買が、「高リスク高リターン」であることを改めて示した格好だ。
 米ネバダ(Nevada)州に拠点を置くブルーストリング・ベンチャーズ(Blue String Ventures)からドメイン名を購入したロシアのマリフアナ関連企業、「ウィード・グロース・ファンド(Weed Growth Fund、旧社名「オベーション・リサーチ(Ovation Research)」)が20日に提出した有価証券報告書によると、同社は現金5万ドル(約540万円)と保有する別のマリフアナ関連会社、カナビス・サティバ(Cannabis Sativa)の株式1万9192株(約1840万円相当)との株式交換により、総額20万ドル以上で「Ebola.com」を購入した。カナビス・サティバは主に、医療用マリフアナの利用促進に向けた事業を手掛ける企業。
「Ebola.com」のウェブサイトには、エボラウイルスに関する事実やエボラ出血熱について頻繁に寄せられる質問などが掲載されている。
 ウィード・グロース・ファンドがドメイン名を購入した理由は明らかにされていないが、米ニューメキシコ(New Mexico)州の元知事でカナビス・サティバの最高経営責任者(CEO)であるゲーリー・ジョンソン(Gary Johnson)氏は、マリフアナがエボラ出血熱の治療に有効な可能性があると考えていると公言している。
 一方、自らを「インターネット上で不動産投資やブランディング事業を行う企業」と銘打っているブルーストリング・ベンチャーズは、「アフリカンマンゴー・ドットコム(Africanmango.com)」、「フクシマ・ドットコム(Fukushima.com)」、「ラズベリーケトン・ドットコム(RaspberryKetones.com)」などのドメイン名も保有している。

2014/10/24

マック、客離れ&業績悪化



日本マクドナルドホールディングスの業績悪化に歯止めがかからない。同社は10月7日、緊急記者会見を開き、14年12月期の連結決算が売上高は前期比15%減の2210億円、営業損益は94億円の赤字(前期は115億円の黒字)、最終損益は170億円の赤字(前期は51億円の黒字)になるとの予測を発表した。営業赤字は01年の上場以来初で、最終赤字は11年ぶり。証券アナリスト達は「今期業績は厳しいと予想していたが、ここまでひどいとは」と、急遽発表された業績見通しに絶句した。  業績悪化の主因はお客離れだ。仕入先だった中国食肉加工会社が使用期限切れ鶏肉を使っていた事件が発覚した7月以降、同社メニューの安全性への不信から客離れが加速し、既存店売上高は8月が前年同月比25%以上減、9月は同17%以上減と大きく落ち込んだ。8月の既存店売上高減は7カ月連続、客数減は16カ月連続だった。業績回復の不透明感が一層強まる中、マクドナルド周辺ではサラ・カサノバ社長兼CEOへの風当たりも強まっている。
 カサノバ氏は今年3月、前任の原田泳幸氏から社長ポストを引き継ぎ、すでに既存店売上高減少が続く逆風の中、女性・家族客向け商品開発や宅配サービス拡充などに取り組んだが、既存店売上高減少を止めることができなかった。
 カサノバ氏は業績悪化要因について記者会見で、次のように釈明した。
「当社は100円のコーヒー提案や24時間営業などを先駆けた業界のリーダーだった。ただ、就任以来、毎日競合が現れ、当社の競争優位性が低下している。新しい戦略を実行に移そうとした時に使用期限切れ鶏肉問題が起きた。戦略は正しかったが、具体化の絞り方が不十分だった」
 だが、この釈明を「認識外れ」と指摘する市場関係者は多く、前出アナリストは「経営戦略うんぬん以前の問題を把握できていないのではないか」と手厳しい。何が同社の惨状をもたらしたのだろうか?
●女性・家族客取り込み策の誤算・・・・
 昨年暮れ、マクドナルドはメディアを対象に「2014年の新商品説明会」を開催した。説明会では「アメリカンヴィンテージ」と銘打った14年1―3月の大型キャンペーンを紹介。キャンペーンでは6種類の期間限定バーガーを発売すると、そのメニューを披露した。従来も「アメリカンシリーズ」として同様のキャンペーンを張ってきたが、今回は食材自体が訴求ポイントとなった。ビーフとチキンを使ったメニューを3点ずつ取り揃え、「ハンバーガーといえばビーフの固定観念を払拭。ビーフに比べて食感が軽やかなチキンで女性・家族客を呼び戻す」(同社)という戦略メニューだった。
 ところがこの戦略が仇となり、前述の7月の鶏肉事件を契機に客離れを決定づける原因になってしまったのだが、昨年暮れから同事件で同社が大揺れするまでの経緯を簡単に振り返ってみたい。
 マクドナルドは昨年12月19日、13年12月期連結決算予想の下方修正を発表した。下方修正は同年8月に続く2回目。13年の既存店売上高が11月まで5カ月連続で減少したのが響いた。この時、カサノバ氏は記者会見で、業績悪化は「コンビニなど他業態との競合に加え、当社ハンバーガーが同業他社から研究されたことで優位性が薄らいでいる」のが原因と釈明。今後は「当社にしかできないことを強化する」と述べ、期間限定、朝食、定番の3メニュー拡充方針を示した。
 今年2月6日に発表した13年12月期連結決算は、最終利益が2期連続の減益だった。既存店売上高が前期比6.2%減に落ち込むなど販売不振が響いた。カサノバ氏は「客を引き付けるメニュー提供ができなかった」と反省。メニュー開発を「最優先課題にする」と強調し、野菜や鶏肉など健康志向の食材を使った女性・家族客向け新メニュー投入方針を示した。
 今年5月9日に発表した14年12月期第1四半期(14年1―3月)連結決算は、前期比減収減益だった。業績V字回復の期待を込めた大型キャンペーン「アメリカンヴィンテージ」も不発に終わり、既存店売上高減は一向に止まる気配がなかった。そんな苦境に追い打ちをかけたのが、7月の鶏肉事件だったのだ。マクドナルドFC関係者が語る。
「女性・家族客は昨年の平均で客数全体の35%を占めていた。このため、今年は新年早々から『女性・家族客数をもっと増やせ』の号令がカサノバ社長から下りた。しかし、鶏肉事件後は子供がマクドナルドに入ろうとすると親が慌てて止めるなど、ピタリと家族連れが来なくなった」
●客数減を招いた内部要因は・・・・
 だが、実はそれ以前から客数減を招く要因がマクドナルド社内に潜んでいた。例えば、同社は昨年7月、単品1000円という超高級バーガーを期間限定発売した。「高い満足感が得られるなら、少々高くても食べたい」のプチ贅沢ニーズ狙いだった。その後も「セットで700円台」の高単価メニューを投入し続けた結果、客単価こそ上がったものの、客数は反比例するように減少し、客離れが進行した。「客の多くは『高い割にはおいしくない』の反応だった。それが本部には伝わらず、顧客満足度の低いメニュー投入が止まらなかった」と、前出FC関係者は振り返る。
 その前の12年には、レジカウンター上のメニュー表を廃止し悪評を集めた、慌ててすぐに復活させるという混乱もあったが、「注文受付待ちの間に客がカウンター正面のボードメニューから食べたいセットメニューを決めれば、注文時間を短縮でき、客回転率が上がる」というのが、本部の狙いだった。本部は客の大半がセットメニュー注文客だと思い込んでいたためだが、ボードメニューには単品メニューの記載がなく、店頭で客の不満が渦巻いた事があった。
 こうして客離れを助長するような事態が次々と生じてしまう要因について、マクドナルドOBは「現場知らずの本部独善主義にある」と指摘する。さらに同社店舗関係者は「カサノバ体制になってからは、本部が何を目指しているのかが現場に伝わってこない。現場では、経営方針について、メディア発表以上の情報を入手できていない」と不満を漏らす。
●本部と現場の「意思不通」・・・・
 そんな本部と現場の「意思不通」状態が招いたのが、8月に発覚した「料金過剰徴収問題」であった。マクドナルドが8月18日から鶏肉を使った「マックウィング」と豆腐を使った「豆腐しんじょナゲット」を通常の約半額の120円に値下げしたところ、全3135店の82%に達する2583店が、それより30円高い150円で販売していた問題だ。
 マクドナルドは鶏肉事件を受け、売り上げが急減したため、その穴埋め策として上記2品目の値下げを決めた。ところが、値下げ価格は150円と120円の両案が対立し、すぐには決まらなかったと言う。市場調査データをもとに本部で机上の空論を戦わせている間に値下げキャンペーン開始日が迫り、取りあえず両案の価格を本部から全店舗のレジへデータ伝送したかたちだ。その後、値下げ価格が120円で決着したのはキャンペーン開始3日前の15日だったため、周知が徹底できず、18日になっても大半の店ではレジに150円で登録されていたのだ。
「本部は18日中に120円販売を全店に通知したと言っているが、店側での周知期間は実質2日。これで全国16万人の店員に周知できるわけがない」と、業界関係者は呆れる。
 また、あるFC店オーナーは「そもそもチキン系はこちらが勧めても客が買わない『ノーサンキューメニュー』。それを値下げで売ろうとキャンペーン商品にした。値下げの意図が客に見透かされている。在庫処分のつもりかもしれないが、本部の認識不足も甚だしい」と手厳しい。
 それだけではない。8月の既存店売上高が前年同月比25%減少になると発表した9月9日の記者会見で、マクドナルドは「客離れが底を打ち、好転の兆しが出ている」との認識を示し、「一体何を見ているのか」と記者や証券アナリストを呆れさせている。
●強まるカサノバ氏への風当たり・・・・
 カサノバ氏は10月7日の緊急記者会見において「価格、メニュー、店舗の3つに課題がある」と述べ、それぞれの改善策を示した。だが「示したのは方針だけ。これから具体化の叩き台となる市場調査に入り、10月末予定の調査結果を見てから具体策を検討する」(同社関係者)という悠長さ。証券アナリストは「本当にやる気があるのか」と、改善策を疑問視する。
 一方、マクドナルドOBは「店先での購買行動無視、店長・店員の士気低下放置、マクロの市場データ重視などは原田前社長時代に醸成された悪弊。これにメスを入れないと、『カサノバ戦略』は今後も空回りし続ける」と断言する。
 鶏肉事件への「我々も被害者」といわんばかりの対応を機に、マクドナルド周辺ではカサノバ氏への風当たりが強まっているとの事。同社関係者も「得意のマーケティングで業績V字回復と、意気揚々日本法人へ乗り込んできたカサノバ氏だが、1年間の空回りで最近は着任時の元気がなくなっている」と打ち明ける。今後同社が復活に向け、どのような手を打ち出すのか、注目が集まっている


2014/10/23

SDカード、ついに1枚で512GBの領域に



なお、価格.comによると発売前予約価格は24万8,400円となっております。ケタ間違っていません。
1999年に規格が決まり、2000年から発売されたSDカード。当初は8MBからのスタートでしたが、2014年の今日、同じサイズで512GBもの四次元ポケット的容量にまで育ちました。どういうこと。
そんな 「サンディスク エクストリーム プロ SDXC UHS-Iカード 512GB」の書き込み速度は90MB/秒で転送速度は95MB/秒。速い速い。
100Mbpsを超えるピュアな画質の4K動画記録用としてはまだ足りない事実にも驚きますが...。
前述したように、おいそれと手を出せる価格帯ではありませんが、メモリの歴史は値下げの歴史。近い将来の実勢価格と、小サイズ大容量フラッシュメモリが開発されたことでスマートフォンとかも512GBになっちゃったりするような未来が楽しみです。
なお、本製品は12月出荷開始とのことです。

2014/10/22

格安SIM「mineo」、iOS 8で利用できないことが確定 「Appleに対応を要望する」



ケイ・オプティコムは10月21日、KDDI(au)のLTE回線を利用する格安SIM「mineo」(マイネオ)がiOS 8で利用できないことを検証したと発表した。構成プロファイルなどでの対策は難しく、同社として今後、iOS 8に対応する予定はないとしている。

 同日リリースされたiOS 8.1についても、利用できないことを確認したという。同社としてiOS 8/8.1への対応予定はないが、引き続きAppleに対して、mineoがiOS 8/8.1で利用できるよう要望するとしている。

 同社はiOS 8リリース直後の9月18日、「mineo」がiOS 8で利用できないことを確認。ユーザーにアップデートしないよう呼び掛けながら、iOS 8対応に努めていた。

2014/10/21

iPhone売れるほど…貿易赤字懸念



9月19日に発売された米アップルの新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)6」と「6プラス」の販売動向に政府関係者が神経をとがらせている。輸入品のアイフォーンは貿易赤字の拡大に直結し、安倍晋三首相が消費税率を10%に引き上げる判断材料にする7~9月期の国内総生産(GDP)成長率への影響が避けられないからだ。8月まで貿易収支が26カ月連続で赤字となる中、国内のスマホ需要を牽引(けんいん)するアイフォーンの人気は、アベノミクスのシナリオをも左右しかねない波乱要因になる可能性がある。

 新型アイフォーンの発売初日、「アップルストア表参道」(東京都渋谷区)ではファンが午前8時の開店とともに一斉に店内に入り、店員とハイタッチを繰り返した。都内在住の30代の男性会社員は「電池持ちが良くなったと聞いて、買うのを決めた」と満足げだった。

 だが、新型モデルが投入されるたびに繰り返されるお祭り騒ぎに、政府関係者は冷徹な視線を投げかける。「アイフォーンが売れれば売れるほど貿易赤字が膨らみかねない」ためだ。

 財務省によると、日本の貿易収支は2012年7月から赤字が続く。東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴って全国の原発が長期停止を余儀なくされ、原油や液化天然ガス(LNG)など火力発電用の燃料輸入が急増した上、アベノミクスによる円安傾向が輸入価格の上昇につながった。一方、円安で改善が見込まれた輸出は国内の製造業が生産拠点の海外移転を加速させた影響で伸び悩みが続く。

 ただ近年、貿易収支の主役として9月だけはアイフォーンが存在感を放つ。新型モデルへの切り替えでアイフォーンを生産する中国からの輸入が急増するためだ。中国からのスマホを含む通信機の輸入は「5」が発売された12年9月は前年同月比で2.5倍以上も増え、「5s」と「5c」が発売された13年9月も90.8%増となった。この通信機の輸入増が9月の貿易赤字を拡大させる要因となった。

 政府関係者が今年のお祭り騒ぎに神経質になるのは、影響が貿易収支だけにとどまらない恐れがあるためだ。9月の貿易赤字が大きくなれば、消費税率を来年10月に10%に引き上げるかどうかの判断にも関わってくる可能性が否定できない。

 10%への再引き上げは法律で「経済状況の好転」が条件とされている。安倍首相は12月初旬までの経済指標などを踏まえて最終判断するとしており、中でも7~9月期のGDP成長率が判断の軸になるとみられる。GDPの構成要素の一つである「外需」は貿易収支が悪化すれば小さくなるため、結果的に「アイフォーンの輸入が増えるほどGDPが押し下げられる」(大手証券のエコノミスト)。

 アップルによると、新型モデルの販売台数は発売から3日間で過去最高の1000万台超となった。「買い控えとみられる動き」(財務省)から、8月の貿易統計では中国からの通信機輸入が33.1%減と落ち込んでおり、日本でも9月は販売台数を大きく伸ばしたとみられる。

 財務省が今月8日に発表した9月上中旬の貿易収支は7682億円の赤字で、自動車などの輸出が伸びたことから、上中旬ベースでは赤字幅が2カ月ぶりに縮小した。ただ、新型アイフォーンの輸入が本格的に反映されるのは9月下旬分のため、エコノミストらは「9月は貿易赤字が拡大する可能性が高い」と予想する。9月の貿易統計は22日に公表される。

2014/10/20

MasterCardとノルウェー企業Zwipe、指紋認証センサ搭載決済カードを発表


MasterCardがZwipeと協力し、指紋認証センサを搭載した非接触型の決済カードを開発した。ノルウェー人起業家Kim Kristian Humborstad氏によって2009年に創設されたZwipeは、クレジットカードやデビットカードの暗証番号(PIN)と署名を指紋に置き換えようと取り組んでいる企業だ。その取り組みの成果が指紋認証センサ搭載のバンクカードであり、指紋認証を用いた本人確認により、第三者がカードを使用できないようになっている。

 カードにはユーザーの生体認証データが記録されており、ユーザーはセンサ部分に指を乗せた状態でカードをリーダーにかざしたときだけ決済ができるため、PINを入力する必要がない。ユーザーのデータは外部のデータベースではなく、カード自体に保存されるため、理論上はより安全だ。

 カードにはEMV認定のセキュアエレメントとMasterCardの非接触型アプリケーションが搭載されている。カードの指紋認証センサの駆動電力は、非接触型の決済端末から供給されるため、バッテリによる充電が不要で便利だ。カードはどの非接触型決済端末でも使えるように設計されているので、あらかじめカードが利用できる状態になった端末であればそのカードをかざすことができる。

 Zwipeの生体認証カードは、ノルウェー国内でSparebanken DIN銀行による試験運用が開始されたところで、それ以外の国では2015年に導入される予定だ。

2014/10/19

米財務省、懲りない中韓を糾弾「不透明な為替介入」 忠告無視し続行



米財務省が懲りない中国と韓国を猛批判した。15日に公表した為替に関する報告書で、中国の人民元と韓国のウォンが「実態よりも安く誘導されている」と分析し、依然として自国の輸出産業を有利にするために、不透明な為替介入を続けていると指弾した。中韓の「特異性」が浮き彫りになる一方、日本に対しては円安を事実上容認、景気対策を求めるなど、期待の水準が大きく異なっている。
 米財務省が年2回公表する「国際経済と為替政策に関する議会報告」は、世界各国の経済情勢や為替政策について分析している。15日に公表された最新版では中国に関して最も多くの紙幅を費やした。
 人民元レートが今年7月から8月にかけてゆるやかに上昇したことについて、「介入を減らして、自国通貨高を容認するという中国当局の意思が示されている」と一定の評価を下し、人為的に為替相場を動かす「為替操作国」への認定は今回も見送った。
 それでもなお、中国の為替政策の変化は不完全だとし、人民元の対ドル相場が「著しく過小評価されており、さらなる通貨高が求められる」との見解を維持した。
 「中国は為替レートの決定で市場がより大きな役割を果たすことを容認すべきだ」として介入を抑制し、介入内容についても定期的に公開するよう求めたうえで、「われわれは今後も監視を続ける」とクギを刺すことも忘れなかった。
 一方、韓国についての項目では、本文冒頭から「他の多くの新興市場や先進国と異なり、韓国は外為市場への介入について公表していない」と特異性を際立たせた。
 為替介入については、韓国当局が昨年末から今年8月にかけて購入した外貨は約220億ドル(約2兆3000億円)にのぼり、特に今年5月から7月の間に集中していると分析した。
 確かにこの時期はドル安ウォン高が進み、7月には1ドル=1000ウォン割れ寸前だったのが、一気に1030ウォン台まで切り返している。
 4月に公表された前回の為替報告書でも米国は「韓国当局は為替介入を減らすとともに、介入の透明性を高めるべきだ」と忠告していたが、これを無視する形で介入を行っていたというわけだ。
今回の報告書では「韓国は2013年2月に、通貨の切り下げ競争を避けることを他の先進20カ国(G20)とともに約束している」ともわざわざ記述した。韓国はこの約束も破ったことになる。
 週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「韓国を代表する企業のサムスン電子も、超円高ウォン安という環境で、日本企業の輸出が著しく困難になったために成長が可能だった。輸出関連の大企業への依存度が高い韓国の場合、ウォン高を放置すれば致命傷になりかねない」と背景を解説する。
 報告書でも韓国経済が抱える問題として、「輸出に依存し、内需が弱い。この弱点に対処することが政府の優先課題であり、熱心に取り組む必要がある」と注文をつけている。
 また、輸出偏重の結果として経常黒字が拡大していることや、為替介入でウォンを売ってドルなど外貨建て資産を購入した結果、外貨準備高が積み上がっていることなどから、「さらなるウォン高が望ましい」としたうえで、「韓国当局は例外的な場合を除いて為替介入を限定し、透明性を高めるべきだ」と重ねて強調した。
 一方、日本に対しては中韓と全く異なる種類の要望があった。8月以降に急速に進んだ円安ドル高の背景は、中韓のような介入によるものではなく、「米景気の改善と、消費増税による日本の経済活動の急速な落ち込みがあった」と明記した。
 そして、世界の成長維持に「日本の内需拡大が欠かせない」と強調。円安を事実上容認したうえで、さらなる景気対策を実行すると同時に、増税と歳出抑制による急激な財政引き締めを回避することも求めた。日本は米国の期待に応えられるか。

新iPadの目玉、「Apple SIM」の破壊力



 アップルは10月17日、iPadの新しいラインナップを発表するイベントを開催した。そのプレゼンテーションを見た、純粋なアップルファンの間には歓喜の声が挙がった。新しいMacOS Xは、よりエレガントなデザインや文字表示品位を手に入れ、iPhoneやiPadとの連携度合いを大幅に高めているからだ。

 手持ちのコンピュータが、すべてアップルのブランドで統一されていれば、システム全体が「見た目」だけでなく、目的を達成するための手順まで、トータルで”デザイン”されていることに気付くに違いない。

 しかし、そうした歓喜の声と同じくらいに、落胆の声もある。新製品(とりわけハードウェア)が従来と変わり映えしなかったことに対する不満と言い換えてもいいかもしれない。アップルに注目する観客たちは、世界中に配信される新製品発表会場の中継を見ながら、新たな、そして直接的に目に見えるイノベーションを期待する。もともと、期待値が高いわけだ。

■ 「より良いもの」が登場した

 そこに登場したのは、より良いiPad Air、より良いiPad mini、そしてより良いiMacだ。もちろん、それぞれに最新の技術は搭載されているが、テクノロジ製品の歴史を書き換え続けてきたアップルに対する期待の高さが、東洋経済オンラインでも速報でお伝えしたロイターの「落胆記事」などに繋がっているのだろう。

 もっとも、今回発表された製品が”より良い製品”であることは確かだ。より軽く、薄くなり(iPad Air 2はiPhone 6 plusよりも薄い)、処理能力は40%向上、グラフィックスの能力は1.5倍になった。iPadよりも注目度は低いが、MacOS Xの新しいリリースはここ数年でもっとも良い出来に仕上がっているように見える。

 いずれも良く吟味されており、これらの製品を購入したいと考えている消費者にとって、新製品の投入は嬉しいことに違いはない。反応の違いは「アップルに何を期待しているか」の違いなのだ。
まずは消費者がどのように反応するかに注目すべきだろうが、「アップルが”独り勝ち”の現状を壊さないよう、新たなことに挑戦しなくなった」という見方は正しくないように思う。アップルは新たなことに挑戦しようとしているが、しかし業界全体として、次の大きなイノベーションを模索している段階であり、それはアップルも同じということだろう。

 エンドユーザー側の視点では、単に機能が追加されただけのように見えるが、将来、大きなイノベーションにつながる要素もある。今回の発表内容の中では、iPadへのApple SIM採用が、もっとも大きなトピックといえる。

■ 多くのキャリアに対応できるApple SIM

 Apple SIMとは、携帯電話網に接続するために必要なSIMカードを半仮想化したものだ。物理的なSIMカードがスロットに挿入さるが、実際にどの携帯電話事業者を用いて通信するかは、iPadの画面上で利用者が選択できる。

 米国でAT&T、Sprint、T-mobileの3社、英国の1社から携帯電話事業者を選んで、契約期間や料金プランを選んでiPadの画面上で契約できるようだ。日本の携帯電話事業者は、現時点でApple SIMに対応していないが、可能性としては世界中の全キャリアとつながっていく可能性がある。新しいiPadが1モデルで世界中のLTEバンドにに対応できることも、Apple SIMの可能性を広げている。

 本来、SIMカードは携帯電話事業者を切り替えるために存在するもので、これをハードウェア(物理的なカードという形)にしているのも、携帯電話事業者自身が選んできた道だ。Apple SIMはその枠組みを打ち崩し、これまでは検討段階で否定されてきたソフトウェア(つまり仮想化された)SIMの実現へ一里塚となるかもしれない。

 現在、まだ対応するキャリアは少ないが、仕組みとしては、すでに部分的にソフトウェアでSIMカードをシミュレートしているのではないだろうか。SIMカードを入れ替えることなく、iOSのアップデートなどによって、対応キャリアが拡がっていく可能性はある。
もし、この取り組みが進めば、業界全体がソフトSIMへと向かうきっかけになるかもしれない。たとえばパナソニックは将来、自社でMVNO(仮想移動体通信事業者)を運営して製品を簡単に携帯電話網に接続、ネットワーク化する構想について議論しているという。しかし、携帯電話網への接続機能を組み込んだ家電の機器認可の簡略化やSIMカードのソフト化なしには、本格的に幅広い製品に採用できない。

 iPadという影響力の大きな商品を基にした交渉力で、SIMカードのソフト化に関する議論やルール整備が進めば、アップルだけでなく様々な製品が携帯電話網へとつながっていくきっかけとなるだろう。

■ 不文律を破って1年で形を変えた iPad Air

 各製品の紹介はここではしないが、発表を通じて印象的だったことを、いくつか記しておきたい。

 まずiPad Air 2の形状。ご存知の通り、iPad Airは2013年11月に登場したばかりだ。構造的な変化は少なく、筐体となるバスタブの深さを浅くしただけだが、1年で形を変えたのは、初代iPhone、初代iPadという例外を除けばはじめてのことだ。

 新たに開発したプロセッサや液晶パネルの進化でバッテリ消費効率が改善され、大幅な薄型化が可能になったために、基本構造は変えないまま薄くしてきたという見方もできるが、タブレット販売台数の伸びが止まってきている欧米市場に向けて、より買い換えを促すという意図もあるのかもしれない。
 もし、市場へのテコ入れのために施した筐体変更ならば、今後は他カテゴリでも似たような(つまり従来とは異なるルールでの)新製品開発があるかもしれない。あるいはテコ入れではなく、単純に1年に1度ぐらいならば基本設計を変えないまま筐体デザインを変更するべき、という考え方にあらためただけとも考えられる。

 新たに開発したプロセッサや液晶パネルの進化でバッテリーの消費効率が改善され、大幅な薄型化が技術的に可能になった。タブレット販売台数の伸びが止まってきている欧米市場にアピールするため、少しでもいいから薄くして、買い替えを促す意図があったのかもしれない。

■ ハード間の連携が秀逸

 もうひとつ、今回の発表における重要なポイントは、MacOS X Yosemiteの具合がとても良いことだ。筆者はさっそくダウンロードして使っているが、細かな文字から大きめの文字まで表示が読みやすくなり、全体の動きも軽くなった。このところ不具合やパフォーマンスの低さに悩まされることがあった標準のメールアプリケーション(Mail.app)の動作も、軽快になっている。

 またYosemiteはiPhone/iPadを「内蔵する機能」のように使いこなせる。出先で通信したければ、ネットワーク共有の設定をしなくともMac側からの操作で接続でき、音声通話も双方で発信/受信が可能だ。

 作業中のデータを受け渡すこともできる。”あと少しで書けるのに! ”と思いながら、書きかけのメールを保存して出かける。そんな時も、書きかけのメールをiPhoneやiPadで引き継ぎ、そこで完成させて送信することが可能だ。その逆に電車内などで書いていた下書きを、YosemiteがインストールされたMacで仕上げて送信することもできる。

 こうした連動機能は”アップル製品の閉じた世界”のものだが、なかなかうまく出来ている。ただし、使えるようになるまでは、もうしばらくするとリリースされるiOS 8.1を待たねばならない。

2014/10/18

MRJ、初号機がロールアウト「夢から現実へ」




三菱重工業(7011)と三菱航空機は10月18日、国産初のジェット旅客機「MRJ」のロールアウト(完成披露)式典を、三菱重工の小牧南工場(愛知県)で開催した。式典には三菱重工の大宮英明会長や三菱航空機の川井昭陽社長をはじめ、約500人が出席した。
 ロールアウトしたのは、5機製造する飛行試験機の初号機(登録番号JA21MJ)。国産旅客機の開発は日本航空機製造のYS-11型機以来、50年ぶりとなる。開発費は1800億円。

 これまでにMRJは、375機(確定191機、オプション160機、購入権24機)を受注。ローンチカスタマーとなる全日本空輸(ANA/NH)から25機(確定15機、オプション10機)、米トランス・ステーツ・ホールディングスから100機(確定50機、オプション50機)、米スカイウェストから200機(確定100機、オプション100機)、ミャンマーのエア・マンダレイ(LMT/6T)から10機(確定6機、購入権4機)、米イースタン航空から40機(確定20機、購入権20機)を受注している。また、日本航空(JAL/JL、9201)と32機の確定発注について、8月28日に基本合意しており、これを加えると407機となる。

 三菱重工の大宮英明会長は、「最高レベルの経済性と快適性を兼ね備えた、世界に誇れるメイド・イン・ジャパンの製品が、ようやく夢から現実へと姿を変えようとしている。自信を持ってMRJを世界に送り出せることを誇りに思う」と述べた。

 ANAを傘下に持つANAホールディングス(9202)の伊東信一郎社長は、「MRJの勇姿を見て感動した。初号機の受領が待ち遠しく、世界で最初に運航できることは名誉なこと」と待望のロールアウトに賛辞を送った。

 三菱航空機の川井昭陽社長は、「実機ができたことで、われわれはここまで出来たんだぞ、と販売先に示せるのは、何もない時よりも格段に大きい」と、ロールアウトしたことが今後の販売活動を後押しするとの考えを示した。`

 MRJの初飛行は2015年4-6月期、型式証明の取得は2017年上期を予定。ANAへの初号機引き渡しは、2017年4-6月期となる見通し。

 飛行試験機の製造状況は、2号機が翼胴結合中で、3号機は胴体結合まで完了。全機静強度試験機はすでに試験を開始している。今後飛行試験初号機と2号機では、アビオニクスや操縦系統、降着装置、エンジンなどを試験するほか、地上振動試験や電磁干渉試験、安全性確認試験、地上走行試験などを実施する。

MSはドイツだと 日本価格の1/10 くらいなんですよね・・もちろん正規品で。




◆ 日本
日本ではワード、エクセル、パワポを揃えようとするとこのパッケージになります。(「Personal」は「Home and Business」より5000円ほど安いがパワポが入ってない)2ライセンスで3万6540円、さすがのMSオフィス価格です。下手すればノートパソコン1台買える値段です。

◆ アメリカ アメリカではどうか。こちらには日本に無い「Home and Student」パッケージがあります。



3ライセンス付きで149.95ドル、約1万1600円(1ライセンス版はさらに30ドル安い)。1ライセンスあたり約4000円というびっくりするような価格です。



◆ 中国
米国との価格差は日本語ローカライズの費用とも取れますが、では同じ漢字圏の中国ではどうか。


中国にも「Home and Student」に当たる「家庭和学生版」が存在します。398人民元ですので、約4900円ほどですね。「ローカライズ費用なにそれ?」と言うような驚きの安さです。



◆ 台湾
3ライセンスで5290台湾ドル(約1.39万円


◆ イギリス
3ライセンスで110ポンド(約1.35万円


◆ ドイツ
3ライセンスで139ユーロ(約1.43万円


◆ ロシア
3ライセンスで2634.51ロシアルーブル(約6846円


「iPad Air 2」と「iPad mini 3」はココが進化した

日本時間の10月17日、アップルは新しい9.7型タブレット「iPad Air 2」と7.9型タブレット「iPad mini 3」を発表した。Apple Storeでのオンライン受注開始は、2014年10月18日からだ。ここでは旧モデルとスペックを比較しながら、それぞれの強化点をまとめよう。

●ボディも中身も大幅に進化した「iPad Air 2」

 まずはiPad Air 2から見ていく。最大の特徴は、7.5ミリ厚だった初代iPad Airから18%薄型化し、6.1ミリ厚の世界最軽量ボディを実現したことだ。これに伴い、重量もWi-Fiモデルで約437グラム(32グラム減)、Wi-Fi+Cellularモデルで約444グラム(34グラム減)に軽量化した。169.5ミリの横幅と240ミリの高さに変更はない。

 ボディカラーはこれまでのスペースグレイとシルバーに加えて、新色のゴールドも選べるようになった。ホームボタンには、指紋認証センサーの「Touch ID」も盛り込んでいる。iPhoneで先行して採用したゴールドのカラーやTouch IDをiPadにも適用した格好だ。米国で10月20日(現地時間)に始まるモバイル決済サービス「Apple Pay」については、Touch IDを使ったアプリ内での購入に対応する(店舗での決済は非対応)。

 Retinaディスプレイは、一部でうわさされた高解像度化は見送られた。9.7型で2048×1536ピクセル(画素密度264ppi)表示というスペックは従来通りだ。ただし内部構造的には、表面のカバーガラス、タッチセンサー、液晶パネルモジュールの3層に分かれていたディスプレイ部を1つに貼り合わせて統合し、空気層を省いた「フルラミネーションディスプレイ」に進化した。表面には「反射防止コーティング」も採用し、従来比で56%反射を抑えている。

 アップルがフルラミネーションディスプレイと呼ぶ技術は、一般にオプティカルボンディングやダイレクトボンディングと呼ばれるものだ。本体を薄型化しつつ、内部で光の反射や拡散を抑え、表示の発色やコントラストを高める効果がある。また、表面ガラスと液晶パネルが近くなることで、表示が浮き上がって見え、タッチした指先のすぐ下で反応する操作感のよさ(視差の少なさ)というメリットももたらす。

 プロセッサは第2世代64ビットアーキテクチャの「A8X」に強化。初代iPad AirのA7プロセッサと比較して、CPUを40%、GPUを2.5倍高速化したという。モーションコプロセッサについても、加速度センサー、デジタルコンパス、3軸ジャイロスコープ、そして新採用の「気圧計」から収集されるデータを継続的に測定する「M8」に進化した。

 通信機能では、無線LANが高速なIEEE802.11ac(MIMO対応/下り最大866Mbps)をサポート。下り最大150MbpsのLTEに対応するWi-Fi+Cellularモデルは、20の周波数帯をカバーした。28、29、38、39、40、41のバンドが追加されており、仕様としてはUQコミュニケーションズのWiMAX 2+(auがMVMOで利用)や、Wireless City PlanningのAXGP(SoftBank 4Gで利用)が用いるTD-LTEのバンド41も含む。

 カメラについては、背面のiSightカメラが500万画素から800万画素にアップグレード。前面のFaceTime HDカメラは、120万画素に据え置きだが、F値が2.2で81%明るくなったという。顔検出が強化され、バーストモード、120fpsのスローモーション、タイマーモード、自分撮りでの写真/動画HDRといった撮影機能にも対応した。

 バッテリー駆動時間に変更はなく、Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生で最大10時間だ。ボディの薄型軽量化を受けて、バッテリー容量を初代iPad Airの32.4ワットアワーから27.3ワットアワーに減らしているが、公称値のバッテリーライフはキープしている点に注目したい。

 以上、現時点で判明している情報をもとに、iPad Air 2をiPad Airと比較した。iPad Air 2は正面からの見た目がほとんど変わらないため、外観上の目新しさはあまりないかもしれないが、多岐に渡る進化を果たしている。後述するiPad mini 3が小幅なアップデートにとどまったこともあり、これからiPadの購入を検討しているならば、最有力候補になることは間違いない。

●「iPad mini 3」の変更点はTouch IDとゴールドカラー

 次はiPad mini 3を見ていこう。ホームボタンのTouch IDと、ゴールドのカラーを追加した以外、ほぼ従来機の仕様を引き継いでおり、ボディサイズ、プロセッサ、ディスプレイといったスペックに変更はない。

 なお、iPad mini 3の登場に伴い、前機種の「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は「iPad mini 2」と製品名を改めた。初代のiPad miniとともに、値下げして3世代が併売される。

 大幅な進化を果たしたiPad Air 2とは、スペックでかなり差がついた形となった。iPad mini 3はマイナーチェンジなので、Touch IDやゴールドのカラー、64Gバイト以上のストレージにこだわらなければ、3万1800円から購入できるiPad mini 2も有力な選択肢となるだろう。

2014/10/16

「カケホーダイ&パケあえる」1000万件突破 ドコモ

NTTドコモは15日、スマートフォン向けに6月開始した料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の契約数が、今月14日に1000万件を超えたと発表した。国内の通信事業者で初めて通話料金を完全定額化、高速データ通信サービス「LTE」の場合月額2700円(カケホーダイプラン、税別)で定額通話とし、家族や同一企業の中でパケット通信のデータ量を分け合えるようにした。長期契約者や家族利用者を中心に契約数が伸びているという。同様のプランは、ソフトバンクが7月に「スマ放題」、KDDIも8月に「カケホとデジラ」で追随している。

2014/10/15

【産経新聞】ジリ貧「サムスン」巨額半導体投資に市場は疑心暗鬼…強気“逆張り投資”の先は天国か地獄か[10/10]

韓国サムスン電子の地盤沈下が止まらない。7日発表した2014年7~9月期の連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期に比べて6割も下回り、これまで業績を牽引(けんいん)してきたスマートフォンの失速を鮮明にした。巻き返しに向け、かつての稼ぎ頭の半導体を再び柱にしようと、15兆6000億ウォン(約1兆6000億円)もの巨費を投じる新工場計画を6日に発表したが、市場からは早くも供給過剰の懸念が噴出。

さらに「決算前に市場の不安感を取り除きたかっただけ。額面通りやるかはわからない」(業界関係者)との見方さえ広がる。

韓国の有力紙、中央日報(電子版)は「天文学的な規模の投資計画を出したが、実際のところサムスン電子のムードはこれまでになかったほど暗い」と報じた。業績を反転させられるカードを見つけられない巨大グローバル企業、サムスン電子。

市場からは「サムスンの全盛期は終わった」との声も出始めた。

スマホの利益 劇的に減少

7~9月期の連結営業利益は、4兆1000億ウォンと過去最高だった前年同期に比べて6割減。前年実績を下回るのは4四半期連続だ。13年の営業利益の約7割を占めていたスマホの競争力が急速に低下したことが大きい。

中央日報(電子版)によると、スマホを担当するITモバイル部門の営業利益は1兆ウォン台後半と推定され、6兆4300億ウォンを記録した1~3月期と比較すると3分の1に落ち込んだ。特定の製品の利益がこれだけ短期間に劇的に減少したケースは世界でも珍しいという。

中国勢の中低価格スマホが急浮上している上に、プレミアム製品のライバルである米アップルが「iPhone6」を出しサムスンの市場を奪ったことが決定打になった。

市場では「早くもスマホは成熟期を迎えている」との見方も多い。サムスンのスマホ不振は一時的ではなく、構造的な問題をはらんでいる。

そこで、サムスンが柱に据えようとしているのがかつての稼ぎ頭の半導体だ。ただ、ある電機アナリストは、サムスンが6日に発表した半導体の巨額投資について「こういう発表は聞いたことがない。強い違和感を覚える」と話す。

生産品目不明の“怪”

新工場は投資額は15兆6000億ウォン(約1兆6000億円)と、同社の一つの半導体工場への投資額としては過去最高となる。2015年前半に着工し、17年後半の稼働開始とスケジュールも決定済みだ。にもかかわらず、生産品目を明らかにしていないのだ。

サムソンは半導体メモリーのDRAM、NAND型フラッシュメモリーで世界最大手。さらに半導体ロジックのシステムLSIも手掛けており、この3製品から生産品目を選ぶことになる。

ただ、市場は敏感に反応した。発表後、DRAMとNAND型フラッシュの両方を手掛ける米マイクロン・テクノロジー、NAND型フラッシュを手掛ける東芝、米サンディスクの株価は軒並み急落。前出の電機アナリストは「供給過剰懸念が出た格好。市場はオーバーキャパシティになることを心配している」と語る。


もっとも今回の巨額投資に対し、市場は疑心暗鬼の部分もある。厳しい数字が出ることが確実の決算の前日に発表し、しかも生産品目は不明。「操業を始める3年後の製品トレンドがどうなっているか誰も見通せない」(前出の電機アナリスト)中、ただ1兆6000億円の巨大工場をつくるというアナウンスは、現実味に欠ける。

シナリオ通りに半導体の巨額投資に踏み切ったとしても難題は待ち構える。かつてサムスンは、日本企業が投資を抑制した時期にも、勝負とみると「逆張り投資」を実施し、日本企業を淘汰(とうた)しながら半導体事業を拡大してきた。ただ、半導体は年を追うごとに投資規模が増えていく装置産業で、値動きも大きい。プレーヤーが減る中、投資のタイミングを誤ると、受ける反動は以前にも増して強い。

そして今回の新工場は、必ずしもサムスンの思惑ばかりではないようだ。新工場はソウル近郊の京畿道平沢(ピョンテク)に建設する計画だが、韓国政府と地元自治体が電力や水道など事業基盤整備を支援する。韓国経済の成長に向け、国を挙げて支援する表れともいえるが、電機業界関係者は「政府の関与で新工場の稼働が1年早い17年になった」と指摘する。

政府の関与が足かせ?

サムスンがくしゃみをすれば韓国経済は風邪をひく-。こう評されるほど、サムソンの韓国経済に対する影響度は大きい。売上高は韓国GDP(国内総生産)のおよそ2割弱を占め、関連企業を含めると雇用も膨大だ。

韓国の有力紙、朝鮮日報(電子版)は8日付の社説で「(サムスン以外の)韓国の他の大手企業も今年に入って業績が悪化し続けている」とした上で、「韓国を代表する大企業各社の実績が悪化すれば、中小の協力会社も追い詰められ、景気回復が徐々に困難になるだろう。税収が減少し、政府の財政が大きな打撃を受ける」と報じた。

政府がサムスンの半導体事業を盛り上げることで、国内の景気回復を狙った可能性がある。ただ、電機業界関係者は「政府の関与のせいで、サムスン得意の『逆張り投資』のタイミングが狂う恐れも否定できない」と話す。

韓国経済を背負うサムスン。次の一手を見つけられないジレンマを抱えているように見えてならない。

中国政府、香港民主化デモを支持する台湾の姿勢に不快感

台湾との対話窓口である中国国務院の台湾事務弁公室は、台湾の馬英九総統が先に香港の民主化デモへの支持を表明したことに「無責任な発言」として強い不快感を表明した。同総裁は先週デモへの支持を表明し、中国に民主化を促す発言をした。
中国政府、香港民主化デモを支持する台湾の姿勢に不快感: 10月15日、中国政府は、香港民主化デモを支持する台湾の姿勢に不快感を示した。香港で14日撮影(2014年 ロイター/Carlos Barria)© ロイター 10月15日、中国政府は、香港民主化デモを支持する台湾の姿勢に不快感を示した。香港で14日撮影(2014年 ロイター/Carlos Barria)
馬英九総統は歴代台湾総統の中では大陸寄りの姿勢で知られ、2008年の就任以来、一連の経済・貿易協定の締結を通して中台間の関係深化に務めてきた。しかし市民の間では共産党の一党支配が続く中国に対する警戒感が強く、この3月には中国との貿易協定に反対するデモ隊が議会を占拠する事態となった。
范麗青(ファン・リーチン)報道官は、台湾が中国の統治システムについて口出しすることに「断固反対する」とし、「台湾はこの件について無責任な発言を控えるべきだ」と語った。その上で「中台が平和的な関係を築いてきたこれまでの努力を無にするような行為を慎むよう希望する」と強調した。

2014/10/14

円安は明らかにマイナス、アベノミクスは間違い-野口悠紀雄氏

10月10日(ブルームバーグ):早稲田大学ファイナンス総合研究所 の野口悠紀雄顧問は円安の進行について、輸入額が輸出額を上回る貿易 赤字の状況下では日本経済に悪影響を与えるとの認識を示した。その上 で、「日本売り」を回避するためにも長期的に産業の生産性を高める構 造改革を進める必要性があると強調した。
  野口氏は8日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「実 質為替レートでみると、今は歴史的な円安」とした上で、「円安による ネットの効果は明らかにマイナスだ。貿易赤字下では、輸入の増加によ る負担の方が大きい。貿易収支が黒字の時は円安がプラスと言えたかも しれないが、今は違う」と述べた。
  財務省(旧大蔵省)出身で一橋大学や東京大学教授を歴任した野口 氏は反アベノミクスの論陣を張っている。量的緩和による株高・円安で デフレ脱却を目指す安倍政権の政策に対し、国民生活だけでなく、中小 企業にも悪影響を与えると警告してきた。「円安は経済全体にとってマ イナスではない」と繰り返す黒田東彦日銀総裁の政策に反対する姿勢を 明確にした。
  野口氏は、円安で輸出価格が上がり、利益が増加している産業があ る一方で、「消費者物価の上昇によって家計の実質所得が減って、消費 の伸びが落ちるという意味で悪影響を与えている。企業でも転嫁できず に負担している部分が10兆円を超え、大きな負担となっている」と指 摘。4-6月期の国内総生産の落ち込みの要因は消費増税の反動減だけ でなく、「円安の影響もあるはずだ」と語った。
  貿易収支は2011年度以降3年連続で赤字となっており、13年度は11 兆4745億円と過去最大の赤字額を記録した。
日本売り防止
  その上で、円安進行によるキャピタルフライト(資本の逃避)を阻 止するためにも「日本の産業の生産性を高め、長期的なファンダメンタ ルズ(基礎的諸条件)を改善することが日本売り防止の唯一の施策だ」 との持論を展開した。短期的には異次元緩和の停止を挙げたが、「金利 は上がる。コントロールするのは至難の業だ」と述べた。
  足元の経済情勢については、「実質GDPの上昇率が落ち、経済が 拡大しない一方で物価が上がっている」とし、不況下で物価が上昇する 「スタグフレーションそのものだ」と指摘。13年の経済成長を支えた公 共事業と住宅の駆け込み需要が剥落することで「今年マイナスになる可 能性は否定できない」との認識を示した。
  野口氏は日本経済にとって生産性の高いサービス産業の構築と少子 高齢化で見込まれる労働力不足を補完する移民受け入れが必要だと主 張。安倍政権の成長戦略について、「設備投資の増加や法人税の減税な ど製造業への回帰を考えており180度的外れだ」とし、移民政策につい ても「技能研修制度でお茶を濁し、背を向けている。アベノミクスは最 初から間違えている」と批判した。
2割の円安
  日銀の物価2%目標については「賃金が上昇せずに物価が上昇する のは家計の実質所得が減って貧しくなるということ。もともと2%とい う目標がおかしい」と語った。その上で、「今から消費者物価を2%に するためには2割円安にならなければならない。足元を1ドル=110円 とすると、130-140円になるということだ」と述べた。
  来年10月に予定されている消費増税については「景気に関係なく上 げるべきだ。消費税が経済に抑圧的な影響を与えるのは当たり前。増税 しないと財政に対する信頼が失われ、金利が高騰する。その方が日本経 済にとってはるかにダメージが大きい」と指摘した。

2014/10/13

韓国の外貨預金残高 「人民元」急増の要因は=中国メディア

中国メディア・中国日報網は6日、韓国の中央銀行が先日発表したデータで、今年7月の韓国国内における人民元預金残高が161億9000万米ドル(約1兆7700億円)と前年同時期の2億9000万ドル(約317億円)から約55倍に増加し、韓国金融当局が資金の流れに注目しているとする韓国メディア・聯合ニュースの報道を伝ええた。

 記事は、韓国の中央銀行にあたる韓国銀行のデータによると、韓国国内の外貨預金残高に占める人民元預金の割合が2012年の0.4%から13年には13.7%、さらには今年7月末現在で25.9%にまで増加したことが明らかになったと紹介。

 この状況に対して韓国金融当局の関係者が「韓国銀行の利率が低い状態にあることから、国内資金が人民現預金へと急速に流れつつある」と分析したことを伝えた。中国5大銀行の1年ものの定期預金利率は3.25%で、韓国の商業銀行の2%前後を大きく上回っているという。

 記事はまた、中国資本銀行の韓国支店が資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)を発行しており、証券会社は1年ものの人民元定期預金を預け入れるとABCPを通じた短期資金募集が可能になると紹介。また、中国政府が支援をしている可能性が極めて高く、人民元預金のリスクが少ないとも説明した。

 一方で、韓国金融監督院が人民現預金についてさまざまな方面からのリスク調査を実施しており、「現在のところリスクの兆候はないが、中国経済には不安定要素が依然として存在しており、警戒は必要」との見解を示したこと、外国為替当局関係者が「必要なときには速やかに対応政策を出す」と語ったことを併せて伝えた。