米国Intelの最高経営責任者(CEO)であるポール・オッテリーニ(Paul Otellini)氏は7月13日、顧客からの絶賛を背景に、予定を前倒しして最新マイクロプロセッサ・ファミリとなる「Sandy Bridge」(開発コード名)の製造ラインを稼働させることを発表した。
Intelは、Sandy Bridgeの生産を加速するため、新たな工場機器にさらなる投資をする計画さえ立てているという。
オッテリーニ氏は、同社の第二四半期電話会議において、「何年もの間に世に送り出してきたどの製品よりも、Sandy Bridgeの存在に胸を躍らせている。Sandy Bridgeに対しては、きわめて好ましい反応を得られており、32ナノメートル(nm)製造工場の回転を速め、設備投資を増額して想定される需要拡大に対応していく構えだ」と話した。
Intelは設備投資予想額を、これまでの48億ドルから52億ドルへと引き上げている。
オッテリーニ氏によると、同社は前四半期よりSandy Bridgeファミリのサンプル・チップを顧客に配布し、新たなチップの性能を確かめられるようにしてきたという。そうして得た好意的なフィードバックが、同社に工場の生産力増強を急がせたようだ。
オッテリーニ氏は、Sandy Bridgeチップを搭載したラップトップPCおよびデスクトップPCが市場に出回る時期については言及しなかったものの、2010年末の売上に含まれるように同チップを出荷するつもりだとも述べた。また、9月にサンフランシスコで開催される「Intel Developer Forum(IDF)」でもSandy Bridgeの詳細情報を明らかにするという。
Sandy BridgeはIntelの最新マイクロチップ・アーキテクチャであり、前世代の「Nehalem」アーキテクチャに取って代わるもの。既存のチップと比べて処理速度およびエネルギー効率にすぐれ、プロセッシング・コアやグラフィックス・プロセッシング・コア、メモリ・コントローラ、キャッシュ・サブシステムなどがすべて1チップ上に実装されている。
Intelでチップ・アーキテクチャ部門の責任者を務めるデビッド・パールマター(David Perlmutter)氏は、4月に開かれた「IDF Beijing」で講演を行い、Sandy Bridgeの初期バージョンはサーバではなくラップトップPCおよびデスクトップPCに向けたものになると語っていた。また、同チップを搭載する製品が発売されるのは、一般的に考えてチップ出荷開始から数カ月後になるだろうとも述べた。