2014/06/09

アップルはライト兄弟の失敗に学べ。アップルがすべきは特許訴訟ではなく新製品の開発だ



スマートフォン世界1位のサムスン電子をターゲットに、損害賠償請求額20億ドル(約2040億円)の特許訴訟を行っているアップルに失望しているのは、自国にひいき目になりがちな韓国人ばかりではないようだ。米国でも、「革新」のシンボルだったスティーブ・ジョブズ氏が死去してからというもの、「アップルは革新という本能を失い、防御のみにあくせくしている」との批判が高まっている。

iPodやiPhoneのようにライバル企業が思いもつかなかった画期的な製品を生み出してきたアップルだが、2010年のiPadを最後に、世界から注目されるようなヒット商品を作れずにいるからだ。こうしたアップルに対し、米国では飛行機を発明したライト兄弟が失敗したのと同じ轍(てつ)を踏んでいるという話がささやかれている。

高校を中退したものの、機械マニアだったウィルバー・ライトと弟オーヴィル・ライトは1903年12月17日、人類史上初の動力飛行機で空を飛ぶことに成功した。ライト兄弟の技術で中心になったのは滑車を使った「たわみ翼(warping wing)」だった。両側の翼をそれぞれ反対側または同じ方向にたわませ、飛行機を上下左右に操縦するのに不可欠な横安定性(lateral stability)を高めたものだ。ライト兄弟は3年後に特許を取得した。だが、兄弟は欲張りすぎてしまった。翼のたわみではなく、横安定性で特許を取ったのだ。ライト兄弟について書いた本『Birdmen』の著者ローレンス・ゴールドストーンは「ライト兄弟の目的は明らかだった。今後作られる全ての飛行機についてロイヤルティーを受け取るため、技術を独占しようとしたのだ」と書いている。 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/08/2014060800516.html



2 :動物園φ ★@\(^o^)/:2014/06/08(日) 11:04:31.86 ID:???.net
ライト兄弟は、ライバルだったグレン・カーティスがフラップと呼ばれる新技術で横安定性を画期的に改善すると、1909年9月に特許訴訟を起こした。フラップとは飛行機の浮揚力を高めるため翼の先端を上下に動かす高揚力装置のことで、現在も飛行機に使われている。ライト兄弟は特許訴訟に全力投球していたため、技術開発をなおざりにした。訴訟に5年を費やしていた間に兄ウィルバーは腸チフスで死去したが、弟オーヴィルは勝訴して多額の賠償金を手にした。

しかし、米国はこの特許訴訟で高い代価を払った。技術独占で飛行機の技術開発が下火になってしまったのだ。第1次世界大戦(1914-18年)時にドイツ・イギリス・フランスが独自開発した戦闘機を実戦に投入した反面、米国からは1機も戦闘機が飛んでいない。結局、米国政府は複数の飛行機会社が保有する特許を交換し合って使うよう強制し、やっとのことで戦闘機の研究・開発が再開された。

アップルはグーグルが買収したモトローラに対しても特許訴訟を起こして批判を浴び、19日に訴訟を取り下げた。しかし、サムスンに対する訴訟はそのまま続いている。ウォール・ストリート・ジャーナル元記者のユカリ・イワタニ・ケイン氏は『幽霊にとりつかれた帝国(Haunted Empire)』という本で「特許訴訟のおかげで、サムスンはアップルと性能がよく似たスマートフォンをはるかに安い価格で提供するライバルとして公認されたようだ。アップルはただでサムスンを宣伝しているのも同然」と主張している。

米日刊紙ニューヨーク・タイムズは「アップルがやるべきことは、訴訟費用だけで数千万ドル(1000万ドル=約10億円)もかかる特許訴訟ではなく、新製品を開発すること。アップルが訴訟を取りやめないのは、技術革新への関心を失っているということだ」と批判した。


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