2014/10/01

「24時間発電するソーラー発電」の衝撃 再生可能エネルギーの欠点を解消




 イスラエルのBrenmiller Energy(ブレンミラー・エナジー)社は、新しいエネルギー貯蔵システムにより、「夜間の太陽熱発電」という難題の解決を目指す。このシステムは、従来のソーラー・テクノロジーに代わるもので、低価格でクリーンなエネルギーの提供を可能とするものである。
 ソーラー・パワーは未来のエネルギー源として、これまでに何度も喧伝されてきた。一方、ソーラー・パワーには問題が残っている。つまり、日光なしに発電・蓄電することは困難であり、他のエネルギー源、特に化石燃料と比較するとコストが高いことだ。
 しかし、ブレンミラー・エナジー社によると、これらの問題は解決された。
 同社のアヴィ・ブレンミラー社長は、次のように言う。「再生可能エネルギーを次の段階に進めるためには、我々人類が必要とする時に必要な電気を提供する必要があります。日が照っている時や風が吹いている時に限定してはだめなのです。そこで重要となるのが蓄電。当社は、電気を従来と同等の価格で24時間供給する予定です。これは画期的なことと言えるでしょう」。
 ネゲブ砂漠の15エーカーの敷地に整然と設置されたパラボラ鏡。これらが日光を追跡・集光し、蒸気を発生させ、その蒸気がタービンを駆動して発電する。
 太陽熱の一部は、日光なしに稼働する新しいシステムによって、地下に蓄えられる。 ブレンミラー社長によると、「流体が充填されたレシーバーに太陽エネルギーを集め、この流体を500℃まで加熱した後、これを他の地下貯蔵エリアに送って熱媒体を温め、これによって蒸気を発生させてタービンを駆動する」とのこと。
 技術上の秘密は明らかにされていないものの、蓄熱の鍵となるのはセメント状の物質だ。「この技術は融解塩等を使った他のシステムより効率的」とブレンミラー社長は考えている。実際、貯蔵されたエネルギーのロスは24時間でわずか5%と報告されている。
 エネルギー問題について世界銀行に助言したことがあるエコエナジー社のアミット・モル最高経営責任者は、「集約された太陽エネルギーである電気を極めて効率よく生産する方法であり、私が知る限り、これを上回る技術は世界にない」とブレンミラー・エナジー社の成果に興奮を隠せない。
 ブレンミラー社長によると、ネゲブ砂漠のサイトではグリッドパリティが達成されている。グリッドパリティとは、再生可能エネルギーによる発電コストが化石燃料発電所の発電コストと同等となることで、その定義は一般に困難である。
 出力1.5メガワットのネゲブ砂漠のサイトは現在、イスラエルの送電系統に接続されており、同様のサイトを海外にも建設する壮大な計画も本格始動しつつある。

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