2014/07/08

異常な高利益率だったサムスンの財務体質が遂に全面崩壊。海外投資家がサムスンの将来を見限り始めた




■サムスン第2四半期は3期連続の減益に、競争激化や通貨高で 

[ソウル 7日 ロイター] - 韓国のサムスン電子は、今年第2・四半期決算が3期連続の減益となる見通しで、第3・四半期も減益に見舞われる恐れがある。 
背景にあるのは、スマートフォン(多機能携帯電話)市場全体の成長が鈍化する中で、低価格製品が市場シェアを拡大していること。さらに米アップルの新型「iPhone(アイフォーン)6」の発売をにらんだ買い控えなどだ。 

韓国ウォンの対ドル相場が6年ぶりの高値になったことも、同社を一層苦しい状況に追い込んでいる。 

トムソン・ロイター・エスティメーツの調査では、同社が8日に第2・四半期は12.6%の減益になるとのガイダンスを示す見込み。決算は今月中に公表される。 

第2・四半期の営業利益は、アナリスト38人の予想平均が8兆3000億ウォン(82億2000万ドル)と、前年同期の9兆5000億ウォンを下回り、2012年第3・四半期以来の低水準になるとみられている。 

売上高は前年同期比6%減の54兆ウォンと、09年の国際会計基準採用後で最も大きな落ち込みが予想されている。 
年間でもアナリスト49人の営業利益予想は7%減の34兆2000億ウォンで、3年ぶり減益になるという。 

韓国先端科学技術大学のチャン・シージン教授は「サムスンの最盛期は過ぎ去った。過去3─4年の利益の伸びは異常なほどの高さだったが、今は普通の水準になりつつある」と指摘した。 

アナリストによると、サムスンが3月後半に投入したスマホ最上位機種「ギャラクシーS5」は売れ行きが好調だが、中下位機種の販売低迷を穴埋めするには力不足。主力製品の次の新型発表としては年内に「ギャラクシーノート4」を予定しているが、情勢を一挙に挽回する製品にはならないとみられている。 

サムスンはウェアラブル端末にも進出し、腕時計型の「ギア」などを投入しているが、この市場はまだできたばかりで、アップルなど同業者との厳しい競争にさらされている。つまりサムスンは当面、新たな成長エンジンがないまま、利益率が圧迫される事態に追い込まれることになる。 

こうした中、同社の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は5月に心臓発作で倒れてから入院したままで、後継者と目されている息子の李在鎔(イ・ジェヨン)氏をはじめとする次の経営態勢にはなお不透明感が残る。 

チャン・シージン教授は「イ・ジェヨン氏が魔法の杖を持っているわけではなく、サムスンが抱える問題は同氏が1年や2年で対処できるものではない」と話す。 

サムスンの「金のなる木」だったスマホ事業は今や、市場の成長鈍化と中国の華為技術(ファーウェイ)やレノボ・グループ(聯想集団)などの製品の性能向上により苦戦を強いられている。 

調査会社IDCは、今年のスマホ出荷台数の伸びが昨年の39.2%から19.3%に鈍化し、平均販売価格も下がると予想している。またIDCによると、サムスンの第1・四半期の市場シェアは前年同期の31.9%から30.2%に低下しており、華為技術やレノボがシェアを伸ばした。 

アナリストは、中国勢がより価格の安い機種で販売攻勢をかけていることが、サムスンの出荷に打撃を与えているとの見方を示した。 

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