エネルギー資源の乏しいわが国では、資源の96%を輸入に頼っています。そこで、将来にわたってエネルギーの安定供給を実現していくためには資源のリサイクルシステムを確立する必要があります。
プルサーマルは、限りあるウラン資源を有効に利用し、エネルギーのリサイクル社会を切り開くための重要な技術です。
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昭和30年代に始まったわが国の原子力開発利用長期計画以来、プルトニウムの利用方策の一つとしてプルサーマルの必要性が明示されてきました。
これに基づき当社では、1999年に高浜発電所4号機に、2000年には同発電所3号機にそれぞれMOX燃料の装荷を行いプルサーマルを実施する計画でした。しかし、BNFL(英国原子燃料会社)製MOX燃料にデータ不正が判明、当該燃料の使用を中止し、BNFLに返送しました。
その後当社では、データ不正問題のようなことが二度とおこらないよう改善策を実施し、2004年3月に原子燃料工業(株)およびコモックス社とMOX燃料製造に関する品質保証体制を確認する基本契約を締結、同年7月に原子燃料工業(株)熊取事業所およびメロックス工場に対する品質保証システム監査結果を、原子力安全・保安院、福井県、高浜町、京都府に報告しました。
しかしながら、同年8月に美浜発電所3号機で2次系配管破損事故が発生し、当社ではプルサーマル計画を自主的に中断しておりましたが、2008年1月、プルサーマル計画の準備作業を再開することとしました。
再開にあたり、計画中断から3年以上経過していることから、原子燃料工業(株)熊取事業所およびメロックス工場への品質保証システム監査を再度実施し、同年3月、両事業所の品質保証システムが適切であるとの監査結果をふまえて、高浜発電所3、4号機で使用するMOX燃料の調達に関する本契約を締結しました。
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