中国メディアの和訊網は4日、中国の11月における製造業PMIが50.3となり、2カ月連続で低下したことを紹介、「中国で製造業が減速している理由の1つに生産能力の過剰があげられる」と指摘したうえで、「中国の過剰生産能力が世界に波及し、デフレになる可能性がある」と論じた。
製造業PMIは50以上であれば景況の改善を示す指標であり、「2カ月連続での低下は中国製造業の景況が悪化していることを示す」と記事は指摘した。さらに中国の鉄鋼業界では2007年より稼働率が80%を下回る状況が続いているとし、中国の鉄鋼メーカーの多くが生産能力の過剰という状況にあると論じた。
さらに、石炭業界における過剰な生産能力の問題は突出しているとし、30カ月連続で在庫が3億トン以上も積み上がっていると指摘。そのほか、太陽光発電や風力発電などの設備メーカーにおいても過剰な生産能力の問題が深刻化しているとし、「過剰な生産能力は価格の下落を招き、事実、中国では鋼材や石炭の価格が大きく下落しており、その影響が世界に波及している」と論じた。
世界最大の鉄鉱石輸入国である中国で需要が鈍化したことによって、オーストラリアでは鉄鉱石価格が2014年初の135米ドル(約1万6180円)から11月には70米ドル(約8340円)にまで下落したと指摘。さらに原油や銅などいった原料となる資源価格も同様に、中国での需要が落ち込んだことで価格が下落していると論じた。
また記事は、原料だけでなく、価格の下落は最終製品にまで波及し、デフレを招く恐れがあると指摘し、日本や韓国、欧州でも消費者物価指数が伸び悩んでいることを指摘。また中国でも消費者物価指数の伸びが9月、10月に1.6%にまで低下し、過去5年で最低の水準になったと紹介した。
続けて、中国では高級レストランや不動産、高級車といった高額商品の売れ行きが明らかに落ちていると紹介。また、中国の海通証券が11月に発表した報告書から引用し、「中国のデフレリスクが加速しており、15年の消費者物価指数は1.5%まで低下する恐れがある」と伝えたほか、英紙フィナンシャル・タイムズの報道として、「中国のデフレが世界に波及する可能性がある」と伝えた。
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