2014/12/02

サウジ進出の韓国の建設・プラント企業、2年で損失2兆ウォン超

10月23日と30日に韓国の証券市場に驚くべきニュースが相次いで報じられた。財界で優良企業と目されてきた大林産業と現代重工業が今年の7-9月期に大規模な営業赤字を計上したというのだ。両社の株価は一時、52週安値を付けるほど急落した。

ところでこの両社の「実績悪化」には共通点があった。サウジアラビアで致命的な打撃を受けたというのだ。大林産業と現代重工業はサウジアラビアで進行中のプラント工事で、7-9月期だけでそれぞれ3300億ウォン(約350億円)、5900億ウォン(約625億円)の損失を出した。これは何もこの両社に限ったことではない。サウジアラビアに進出した韓国の建設・プラント企業の損失は最近雪だるま式に膨れ上がっている。昨年と今年の累積損失額は約2兆ウォン(約2100億円)を超えている。海外での営業損失のほとんどがサウジアラビアに集中している状況だ。1970年代に中東進出をリードし、「ドル箱」とまで呼ばれたサウジアラビアでの事業が激変してしまった理由は何か。

■サウジで韓国企業が次々と赤字に

韓国企業がサウジアラビアで被った損失は確認されたものだけでも昨年7000億ウォン(約740億円)台、今年は7-9月期現在で1兆3000億ウォン(約1380億円)台と推算されている。ほとんど全ての大手建設会社が損失を出している。SK建設はワシット・ガス・プラントの現場で工期の遅れにより2000億ウォン(約210億円)台の損失を計上した。工事の総額は22億ドル(約2590億円)だったが、損失額が10%に迫っている。

ハンファ建設は2011年に受注したマラフィック発電プラントの現場とサウジアラビア最大の産業団地ヤンブの発電・淡水設備の工事などで4000億ウォン(約420億円)台の損失を被った。ハンファ建設の関係者は「試運転の段階で発注者が求める出力に届かず、工事費がかさんだ」と話す。

大林産業は、サウジアラビアの合成ゴム生産プラントとラビック2石油化学プラント、サダラ石油化学プラントの3カ所で発生した3100億ウォン(約330億円)台の追加コストを7-9月期に全て損失処理した。大林産業の関係者は「人件費などの原価が引き続き上昇することが予想され、赤字の予想される事業場は今後予想される損失まで前倒しして計上した」と話す。現代重工業とサムスン・エンジニアリングも損失のほとんどが発電やアルミニウムなどのプラント工事で発生した。

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