2011/03/14

東電、計画停電スタート=市民生活の混乱必至-官房長官「外出控え、節電に協力を」

東日本大震災で被災した福島第1、第2原発などの運転停止を受け、東京電力は14日午前、地域ごとに電力供給を順番に停止する「計画停電」(輪番停電)を開始する予定だ。電力の供給不足に対応するためで、東電発足以来初めての措置。市民生活や経済の予期せぬ混乱が懸念される。
 ただ、午前6時20分から予定していた第1グループの地域には、計画を変更して電力供給を続けた。早朝段階では需給バランスが安定しているためというが、停電を予定した午前10時まで送電をできるかは「予断を許さない状況」(東電)。
 計画実施に先立ち、枝野幸男官房長官は14日早朝に記者会見し、「外出を控えるなど、徹底して電力の使用を控えてほしい。国民の最大限の協力が不可欠だ」と呼び掛けた。
 計画停電が実施されるのは東京、栃木、群馬、茨城、千葉、埼玉、神奈川、山梨、静岡(富士川以東)の9都県。対象地域を5グループに分け、午後10時まで順番に停電させる。当面は4月いっぱいまで続く見通しで、冷房で需要が跳ね上がる夏場の実施も検討している。
 計画停電に伴い、鉄道各社では列車の運休や本数削減を予定。首都圏のJRで運転するのは山手線、中央快速線(東京-立川)、京浜東北線(蒲田-赤羽)、常磐快速線(上野-松戸)、常磐線(綾瀬-松戸)に限定されるなど、通勤・通学などへの影響は計り知れない。また、停電中は道路の信号も消え、安全に細心の注意が必要になる。
 一部では水道が止まるほか、固定電話も使えなくなる可能性がある。医療面では、病院には自家発電機があっても、在宅で人工呼吸器を使っているケースなどに不安が残る。

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