30日から訪日するインドのナレンドラ・モディ首相(63)は29日、日本経済新聞などの取材に応じ、日本の原発設備や新幹線システムの導入に意欲を示した。日本との「安全保障分野での関係を格上げする時が来た」とも述べ、防衛装備品を日本から調達する意向も表明した。
モディ氏は首都ニューデリーの首相公邸で取材に応じた。5月に就任したモディ氏が主要国を訪問するのは日本が初めてになる。
モディ氏は日本の原発設備導入の道を開く2国間の「民生用原子力協定」の締結や新幹線システムのインドへの導入について、「具体的な協力のための道を開くことが今回の訪問の目的だ」と語った。
インドの高速鉄道の整備で日本は新幹線方式の採用を働きかけている。現在、日印両政府は共同で、アーメダバード―ムンバイ間の事業化調査を共同出資で進めており、調査は来年7月ごろまでに終える予定だ。一方、民生用原子力協定は両国政府が早期妥結を目指して協議を続けているものの、核不拡散の規定を巡る隔たりが埋まっていなかった。
防衛協力についてモディ氏は「防衛分野での(日本との)二国関係は、我々の戦略的グローバルパートナーシップの強固な基盤を構成している」と語った。
日本で今年4月、条件付きで防衛装備品の輸出を認める「防衛装備移転三原則」が決まったことにも触れ、「高度な軍事技術と国防装備品分野における2国間協力の新たな時代の幕開けとなるだろう」と言明。日本の海上自衛隊に配備している救難飛行艇「US2」のインドへの輸入やインドでの共同生産に強い期待を示した。
モディ氏は9月3日まで日本に滞在する予定で、1日に安倍晋三首相と会談する。