●リタイア時期は自分で決める
でやはり気になるのは、部分年金しかない60代前半にどう備えるかということだと思います。退職金が出るとしても、この時期に貯金はかなり減っていきそうですし、そのための資金準備が今からできるのか、不安な方も多いと思います。
●再就職の意思がある人
その解決策のひとつが、60歳以降も働くという選択肢です。昨年4月、改正高齢者雇用安定法の「高年齢者の安定した雇用の確保等を図るための措置」が施行され、65歳までの定年延長や、継続雇用制度の導入が事業者に義務化されました。現在は罰則がないので100%の導入ではありませんが、本人が希望し、これまでの勤務態度などに特別な問題がなければ、働き続けられる環境が整いはじめています。
この制度の適用期間は、男性の場合、その方の定額部分の支給開始時期とリンクしています。例えば63歳から厚生年金の満額支給がスタートする方なら、継続して働けるのは63歳になるまでということになるわけですね。ちなみに継続の形としては、いったん60歳で退職手続きをとり、同じ日付で新たな雇用条件で再雇用する形を採用する企業が主流になっているようです。
●年金が満額支給になる時点まで働くことはできるが
60歳以降も働き続ける会社員の方には、在職老齢年金という年金収入があります。さらに、賃金が60歳時点と比べて75%未満になった場合など、一定条件を満たしている方は「高齢者雇用継続基本給付金」という雇用保険の給付が受けられます。
●高齢者雇用継続基本給付金とは?
60歳時点で月50万円以上の給料をもらっていた方が、60歳以降に月34万円で働く場合と、月26万円で働く場合の月収の合計額(61歳時点)をモデル化したものです。結論からみると、月給は8万円も違うのに、月収の合計は1万円ちょっとしか変わりません。その上、税金や社会保険料は収入に応じて課せられますから、結果的には手取り収入はほぼ同額なんですね。高齢者雇用継続基本給付金は2012年から段階的に廃止される予定ですが、団塊世代の方たちは、給与収入と年金収入、そしてこの雇用保険の3点から60歳前半のご自分の収入を考えていただきたいと思います。
●60歳は「老後の始まり」ではない
もちろん60歳以前に定年後の生活準備ができている方はハッピーリタイアができるでしょうし、年金の満額支給まで働きたいという方には社会が受け皿を用意しているということでしょう。自分のリタイア時期は自分で決めるというのが、これからの時代なのですね。
老後の生活は計画的に資産を取り崩していく生活でいいわけで、お金を使うことに必要以上に不安になる必要はありません。ただし、老後は年金だけで安心ともいいきれないことも知っておいてください。団塊世代の年金の給付水準は、いま80代の方たちの3分の2ぐらいですし、特に負担となるのは年金課税の強化です。以前は年間340万円程度まで年金には税金はかかりませんでしたが、平成17年からは老年者控除の廃止などにより、年間210万円程度に低下しました。厚生年金受給者の多くに所得税と住民税が発生します。年金の手取り額の減少ということも頭にいれながら、将来のお金の計画を立てるようにしてください。
●「老齢年金」も「高年齢雇用継続基本給付」も多く受給できるポイント
「老齢年金」も「高年齢雇用継続基本給付」も多く受給できるポイントは ・勤務形態を社会保険加入義務のない 「嘱託、パート、アルバイト」などにする ・厚生年金の被保険者にならないようにする 収入額と受給額のバランスを考えて、どのような方法が良いか考えましょう。 年金生活をより豊かなものに変えていきましょう。いきいき年金生活。
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