話題沸騰のアリババを率いるジャック・マー会長。その素顔とは?
中国最大のネット通販企業、アリババグループ。19日にニューヨーク証券取引所に上場し、初日の取り引きから株価は急伸。IPOの規模は218億ドル(約2兆3800億円)に達し、米国史上で最大となった。
そのアリババを率いるのが、創業者で会長のジャック・マー氏だ。小柄で親しみやすい印象の同氏、従業員を前に自ら奇抜な衣装を身に付け、ステージに立ち歌い踊る姿は、あらゆる大企業のトップらとは違った、独特の存在感を放つ。
もともとパソコン、ネットには疎かった
ジャック・マー氏は決して、成功への道をストレートに進んできたわけではない。大学受験には2度失敗。3度目の受験でやっと合格した杭州師範学院ではかねて得意分野であった英語を学び、卒業後も別の大学で英語教師としてキャリアをスタートさせた。
もともとパソコンやインターネットには疎かった同氏だが、1995年に仕事で訪れたアメリカで、初めて「ソーシャルネットワーク」に触れ、ここにビジネスの大きな可能性を感じた。
その後、1999年9月にアリババを創業、インターネット通販の分野に参入した。紆余曲折を経ながらも、今回の上場直後の時価総額では米フェイスブックやアマゾン・ドット・コムを超える電子商取引の巨人へと成長させてきたのだ。
2013年には「教育や環境分野でもっとやりたいことがある」と宣言し、アリババのCEOを退任したジャック・マー氏。その後は中国のアクション俳優ジェット・リー氏とともに太極拳の教室を開校するなど、新たな活動に乗り出している。
胸に秘める野望
中国随一の富豪になった同氏だが、アリババの将来にまだ大きな野望を持っている。「マイクロソフトやウォルマートの規模を抜けなかったら、一生後悔するだろう」と、テレビのインタビューで語っているのだ。
ジャック・マー氏の自室のアパートで、十数人のメンバーとともに始めたアリババ。IPOを機に成長をもう一段加速させ、彼自身が挙げたような米国の巨大企業を凌駕する日も近いだろうか。