2013/05/14

AndroidタブレットとiPad、どっちがいい?

2012年3月の新型iPadの発表は世界中に大きなインパクトを与えた。9.7インチ液晶に薄型軽量なアルミボディーという基本コンセプトはiPad 2を踏襲しながら、iPad 2のなんと4倍にもなる2048×1536ドットもの超高解像度を実現したためだ。
アップルが2012年3月に発売した3代目「iPad」
アップルが2012年3月に発売した3代目「iPad」

「単純に解像度が上がっただけ」という辛口の評価もなくはないが、これだけの高解像度を実際に体験してみると、その衝撃は大きい。それはiPad以外のタブレット、つまりAndroidタブレットを製造するメーカーも同じだったことだろう。

新型iPadの登場は、同じ約10インチサイズの画面を搭載するAndroidタブレットの存在意義を揺るがしているといっても過言ではない。ではiPadがすべてにおいてAndroidタブレットを凌駕しているのか……というと決してそんなことはない。iPadにはiPadのメリット・デメリットがあるように、AndroidタブレットにはAndroidタブレットの魅力が詰まっているのだ。

常に1種類しかないiPadと、選択肢が多いAndroidタブレット

最初に言えることは、Androidタブレットには選択肢が多いということだ。

iPadは魅力的なデバイスなのだが、今のところ最新モデルは常に1機種しか存在していない。例えば「9.7インチじゃなくて7インチクラスのモデルが欲しい」「キーボード付きが欲しい」「テザリング対応モデルが欲しい」……これらの要求に応えてくれるiPadは残念ながらない。

だがAndroidの場合、7インチクラスなら東芝「REGZA TABLET AT3S0」やエイサー「ICONIA TAB A100」などさまざまな機種がある。キーボード付きならアスーステック「Eee Pad TF201」、テザリング対応ならUQ WiMAX「GALAPAGOS EB-A71GJ-B」(シャープ製)やNTTドコモ「MEDIAS TAB N-06D」(NECカシオ製)など数多い。


ゲームなら圧倒的にiPad 無料・有料アプリも充実

本体ハードウエアのバリエーションの豊富さに関してはAndroidの圧勝だが、ゲームに関してはiPadの方が圧倒的に楽しめる。

これはAndroidタブレットの機種数が多すぎて、画面の大きさやCPU・画像処理性能などがバラバラのため、どの機種でも楽しめるゲームを作るのが難しいというのが背景にある。iPadは現在でもまだ3機種しかないため、初代iPadで問題なく動けば処理性能としてもトラブルが生じることはない。要するにゲーム開発会社が安心して開発できる環境がiPadにはあるというわけだ。
ゲームに関してはiPadの方が圧倒的に充実している
ゲームに関してはiPadの方が圧倒的に充実している

ある調査会社の調査によると、Androidユーザーに比べてiPad(iPhoneなども含む)ユーザーの方が有料アプリを多く購入しているという。iPadの方がユーザーの裾野が広く、ゲームなどの有料コンテンツの購入にも慣れているため、今後もその傾向は続くだろう。もちろんAndroid向けのゲームアプリがないわけではないが、3Dグラフィックスなどを用いた本格的なゲームはiPadでしか楽しめないと思っておいた方がいい。


テレビやAV機器をより楽しみたいならAndroidがおすすめ

現状で国産AndroidタブレットがiPadに最も勝っている点として挙げられるのが、デジタルAV機器との連携だ。

例えば東芝「REGZA TABLETシリーズ」の場合、同社のBDレコーダー「REGZAブルーレイシリーズ」と連携する機能を備えている。レコーダーのチューナーを用いてテレビをリアルタイム視聴したり、録画した番組を家の中で楽しめるだけでなく、ダビングして外出先で見ることもできる。ソニーの「Sony Tabletシリーズ」は外出先では見られないものの、同じようにテレビを見たり録画番組を再生するといったことができる。

Androidはバージョン4.0(ICS:Ice Cream Sandwich)へのバージョンアップによって、家庭内AVネットワーク機能「DLNA」が著作権保護規格「DTCP-IP」に対応する。これによってAndroidタブレットは、国内のテレビやレコーダーの多くに搭載されているDLNA機能と同等になる。つまりレコーダーや一部の録画テレビで録画した番組を、同じLAN環境にあるAndroidタブレットで楽しめるようになるというわけだ。これは東芝、ソニー以外のタブレットでもそうである。
iPadはこうした連携機能は今のところなく、サードパーティーアプリでも同様の機能を実現したものはない(DTCP-IPを搭載しないDLNA対応プレーヤーなどはあるが、この場合はレコーダーで録画した番組は再生できない)。

せっかく10インチクラスの大画面タブレットを使うなら、テレビも見たいというのが人情というもの。iPad向けテレビチューナーもあるが、自宅のテレビやレコーダーと連携した使い方をしたいという人は、Androidタブレットを検討してみるのもいいだろう。


周辺機器やアクセサリーの多さはiPadが圧倒!

そのほか、「せっかく大枚はたいて購入するのだから、カバーやケース、周辺機器などで自分だけのタブレットにしたい」という人には、やはりiPadがおすすめだ。

Androidタブレットは機種数が多いため、専用のケースやカバーなどは数えるほどしかない。周辺機器やアクセサリーもiPadの方が圧倒的だ。例えばiPad用のキーボード付きケースなどは数多いが、Androidタブレットの場合は世界的に売れているサムスン電子のGALAXY Tabぐらいしかない。
ただし、先ほども述べたように、iPadは1機種しかないのが最大の弱点だ。「こんな機種が欲しい」「あんな機能が欲しい」という要望に合致した機種があるのなら、それがiPadであろうとAndroidタブレットであろうと、あなたにとって最高の機種であるに違いない。

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